
宍戸大樹インタビュー/再起戦を控え決意とトラウマを激白!
――今回は『S-cup』から二か月あまりでの再起戦となります。あれだけの大勝負に敗れた後としては、試合間隔が短いと感じませんか?
「短いなっていう感じはしないですね。一か月あけば充分だと思ってるんで。『S-cup』で負けたのに足踏みしてる場合じゃないし、年齢的にも悠長なことは言ってられない。早めに試合を組んでもらえたのはありがたいです」
――精神的な切り替えも、早めにできたと。
「優勝して喜んでるアンディ(・サワー)を見て、“このままじゃ終われないな”って思ったんですよ。もちろん試合の直後は落ち込みましたけど、一週間くらいで切り替えられました。やっぱり、負けたら悔しいですからね。悔しさを払拭するにはどうしたらいいのかと言ったら、勝つしかない。あそこで負けたままフェイドアウトしたら、かっこ悪いなって考えたんですよ。アンディ・サワーという選手を倒すまではやめられないって」
――そのためにも、早く再スタートしたい、と。
「そうですね。疲れを取ってからとか、治す所を治してとか言ってたら、落ちていくばかりだと思うんですよね。それよりも刺激というか、常にハードルを用意してもらったほうがいい。現状維持じゃダメなタイプなんですよ。基本的に怠け者なんで(苦笑)」
――今回の対戦相手はウェイ・シュウレイ。以前サワー選手とも好勝負を展開した散打の選手です。
「アンディが“もうアイツとはやりたくない”って言ったくらいタフな選手ですよね。正直きついなとは思うんですけど、どうせやるなら強い相手がいいですからね」
――結果はもちろん内容でも、サワー選手と比べられることになりますよね。
「そう思いますし、そういう相手でよかったと思います。アンディをこれから追いかけようって人間が、アンディに負けた人間に負けてられないですからね。モチベーションっていう言葉は好きじゃないですけど、目的意識が明確になります。自分とアンディの違いっていうのもハッキリ出ると思いますし」
――これからの闘いは、サワー選手との差をどれだけ詰められるかがテーマになるというか。
「打倒アンディが一大テーマになると思いますね。ただ、その中でシュートボクシングの競技性を高めていかなければいけないとも思います。これは僕だけじゃなく、選手全員ですね。どの試合でも必ず投げの攻防があって、シュートポイントが生まれるような試合をしなきゃいけない」
――ただ、これまでの試合を見ていると宍戸選手は散打を苦手にしている印象があるんですが……。
「中国遠征でも2回、負けてますからね。僕からしたら水と油ですよ。中国では完全に苦手意識を刷り込まれちゃいましたからね」
――宍戸選手にとっては、散打のどの辺がやりにくいんでしょう。
「散打の選手って、自分の間合いとかリズムを絶対に崩さないんですよ。そして、自分の得意な攻撃をしっかりと出していく」
――そうなると、宍戸選手のようにスピードと手数で相手のペースを乱すタイプの選手はやりにくいですよね。
「だから今度の試合は、自分が持ってるものを総動員するしかないですね。なんとかして突破口を開かないと。ウェイは打撃も強いし、投げも頭から落とす危険な投げ方をしてきますしね。ポイントを取るんじゃなく、相手を壊す投げですから。正直、怖さはありますよ。1月には安廣(一哉)選手にも勝ってますし」
――周りが思っている以上の強敵というか。
「僕としては、気持ちで負けないことでしょうね。自分のスタイルを信じて闘えるかどうか。“こいつ、ダメージあるのか?”“俺がこれだけ動いてるのに疲れてないのか?”って思ってしまったら勝てないですよ。ただ、そういう相手とやらせてもらうのは自分にとっていいことですから」
――いい勝ち方をして、サワー選手との差を詰めると。
「それに、散打への苦手意識、トラウマみたいなものも、勝てば払拭できますしね」
――それから今大会の大きな話題として、総合格闘技の大物選手参戦もありますよね。佐藤ルミナ選手、マモル選手、MIKU選手と。
「話題性もありますし、いいことだと思いますね。盛り上がると思います。ただ、大会が終わってお客さんが“今日はルミナの試合が一番面白かったね”って言われるようじゃ情けないですよね。シュートボクシングのリングはシュートボクサーが盛り上げなきゃいけないですから」
――そういう意味では、ライバル意識もあると。
「負けてられないというか、負けちゃいけないですよね。特にえなり(のりゆき)君はマモル選手と直接対決なんで、強い責任感をもってると思いますけど、シュートボクサー全員が同じくらいの責任を感じてほしい。いま若手の選手が伸びてきてますけど、そういう時期だからこそ、シュートボクシングらしい闘いをすることが大事ですよね。もちろん、その中でも一番いい試合をしなきゃいけないのは、メインを務めさせてもらう僕だと思ってます」


