5.26『NEO ΟΡΘΡΟΖ Series 3rd』 詳報
シーザー会長のいないリングを守りきったSBトップファイターたち。メイン後には揃って今後の健闘を誓い合った5月26日、後楽園ホールで開催された『SHOOT BOXING 2006 NEO ΟΡΘΡΟΖ Series 3rd』は、出場予定だった安廣一哉や大東旭、石川剛司が相次いで負傷欠場するというアクシデントに見舞われた。また、常に会場で試合を見守ってきたシーザー武志会長も、今回は病気のため来場がかなわず。会場には、いつもとは違う不穏な空気が流れることとなった。
スーパーフェザー級王者として絶対的な実力を誇る及川知浩は、石川の代わりに急遽出場することになったムエタイ戦士ラジャサクレック・ソーワラピンと対戦。開始直後、及川はローで牽制するが、一瞬のスキに踏み込まれ、左右の縦ヒジをもらってしまう。額から出血しながら試合を続ける及川に対し、ラジャサクレックは及川の蹴りを冷静にかわし、的確なパンチで傷を広げ、開始から1分もたたずにドクターストップ。
及川のTKO負けで重苦しい雰囲気に包まれた会場に、気合い充分の表情で登場したのは緒形健一。S-cupの切符を手にするためには絶対に負けられない試合となる。負傷欠場の大東に代わりリングに立つのはISKAオーストラリア・ウェルター級王者のポール・スミス。
緒形は右ローで様子を伺うが、スミスの強烈な右フックをまともに受け、まさかのダウンを喫する。さらにスミスは2Rにも飛びヒザ蹴りでダウンを奪取。及川に続き緒形までもが……。会場中にそんな空気が流れかけていたその時、緒形は右フックをヒットさせると、序々に体勢を立て直し、鬼気迫る表情で怒濤のラッシュをかけると、スミスは失神、緒形が起死回生の逆転KO勝利をもぎとった。
暗雲を完全に吹き飛ばした緒形に続きたい宍戸大樹の相手は、K-1、HERO'Sなどの大舞台で実績を重ねる豪腕ファイター、イアン・シャファー。
1R開始早々、強烈なパンチで宍戸を追いつめるシャファー。ガードもろとも強打されると宍戸は後退を余儀なくされ、アッパーを食らってダウン寸前となる場面も。しかし、ラウンドを重ねるごとに動きが良くなっていく宍戸は、スタミナが切れてきたシャファーに対しローキックやボディへの攻撃で自分のペースをつかむと、シャファーをコーナーへ追いつめ、パンチやヒザ、バックキックなど、途切れることなく攻撃を繰り出していく。5Rには、コーナーに詰めてのヒザ蹴り連打でダウンを奪ってみせた宍戸。KO勝利はならなかったものの、序盤の劣勢から見事に形勢逆転、底力を見せ付けて判定勝利を収めた。
K-1 MAXの前に納得のいく勝ち方をしておきたいアンディ・サワーは、メインで大野崇と対戦した。試合は序盤から激しい打ち合いに。大野がタイミングよく左ストレートをヒットさせれば、サワーもパンチの連打、強烈な左ボディで圧力をかけ、一歩も後ろへ引かない。さらにサワーは重みのあるパンチと強烈なローで確実に大野にダメージを与えると、3Rに内股への右ローを連発。3ノックダウンを奪い、貫禄のTKO勝ちを果たした。
思いもかけぬハプニングが続出した今大会だったが、SBのトップ選手たちがきっちりと活躍し、終わってみれば、大きな盛り上がりをみせた興行となった。今大会の結果を受け、S-cup戦線が激化することは確実。サワー、宍戸、緒形らの闘いには、さらに注目が集まることになるだろう。
■サワーのコメント
「今日の試合は100%ではなかった。前回の試合ように下がることはしたくなかったんだけど、パンチがくるとどうしても下がってしまって。前回より3割から4割くらいは良くなってる気はするけど、まだまだだね。今日の課題は前にいくことだった。あまりダメージをうけないように、できるだけ早い段階でKOしたかったんだ。今日の試合は今までのトレーニングの成果を見るいいテストにはなったけど、改善するべきところはまだまだあるね。K-1 MAXに向けて5週間くらいあるから調整していくよ。今日は会場にいなかったけど、シーザー会長のサポートがあったから4年間頑張ってこれた。今日の試合は会長のためにも頑張りたかったから、勝てて嬉しいよ」
■宍戸のコメント
「今日も攻めきれなかった部分で課題を残してしまいました。それが非常に残念です。自分が予測してたよりもシャファー選手のパンチ力がかなり上回ってました。ガードの上からでもパンチが効いたので、向こうの回転に飲まれて、立て直すのに時間がかかりました。今回も持久戦に持ち込めば、っていう形。KOにもっていけなかったのが悔しいです。シャファーのような相手を苦手、苦手といつまでも言ってられませんし、世界にはいろんなタイプの選手がいますんで、もっと自分の技術を高めて、臨機応変に対応していきたいと思っています。毎回、明確な形で結果を出したいと思っているんですが、次回こそはと思いつつ出来ないんで。
(シーザー会長が今回、会場に来ていませんが)今回の試合はヤバかったんですが、会長の思いが後押ししてくれた感じがします。今回はS-cupにつながる試合をお見せしたかったんですが、まだまだパワーが足りませんね。パワーをつけて、技術も掘り下げていきたいです。アンディのKO勝利は悔しいけどさすがですね。追いかける目標が近くにあるのは励みになるので頑張ります」
〈RESULTS〉
第9試合/メインイベントFINAL エキスパートクラスルール3分×5R
○アンディ・サワー(シュートボクシングオランダ/TEAM SOUWER)VS大野崇(正道会館)×
※3R2分10秒、KO(右ローキックによる3ノックダウン)
第8試合/メインイベント エキスパートクラスルール3分×5R
○宍戸大樹(シーザージム)VSイアン・シャファー(リングス・オーストラリア)×
※判定3-0(シャファーは5Rにヒザ蹴り連打でダウン)
第7試合/エキスパートクラスルール3分×5R
○緒形健一(シーザージム)VSポール・スミス(オーストラリア/TEAM JABOUT)
※2R2分57秒、KO(パンチ連打。緒形は1Rに右フック、2Rに飛びヒザ蹴りでダウン)
第6試合/エキスパートクラスルール3分×5R
○ラジャサクレック・ソーワラピン(タイ/ウィラサクレック・フェアテックス)VS及川知浩(龍生塾)×
※1R0分50秒、TKO(額からの出血によるドクターストップ)
第5試合/エキスパートクラス特別ルール3分×3R
○三原日出男(シーザージム)VSナグランチューンマーサM16(龍生塾)×
※1R終了時、TKO(タオル投入。1R、三原は右フックでダウン、ナグランチューンは首投げでシュートポイント1獲得)
第4試合/エキスパートクラス特別ルール3分×3R
○歌川暁文(UWFスネークピッドジャパン)VS炎出丸(クロスポイント吉祥寺)×
※判定3-0(炎出丸は3Rに右フックでダウン)
第3試合/エキスパートクラス特別ルール3分×3R
○山口太雄(寝屋川ジム)VS加藤誠(ピンクモンスター軍)×
※1R1分01秒、KO(加藤は左ストレートで2度ダウン。2度目のダウンでKO)
第2試合/エキスパートクラス特別ルール3分×3R
○えなりのりゆき(シーザージム)VSファントム進也(龍生塾)×
※延長判定3-0
第1試合/スターティングクラスルール2分×3R
○新幡昭男(U-FILE CAMP)VS中森保貴(シーザージム)×
※2R1分36秒、KO(3ノックダウン。中森は右ストレートで2度、左フックで1度ダウン。中森は1Rにも右ストレートでダウンを喫した)


