SHOOT BOXING

HUMAN OF SB

自分の“弱点”を強みにするため、SBを選んだ。

「面白い奴が出てきた!」とSHOOT BOXING(以下 SB)関係者、OB・OGから囁かれる新鋭・マツシマタヨリ選手。昨年2016年にプロデビューし、シュートポイントを量産するなど、SBの醍醐味を遺憾無く発揮している。幼少の頃から、レスリングをはじめ様々な格闘技に触れて育ったマツシマ選手に、自身のSBに対する思いなどを聞いてみた。

2016年4月にデビューし、一年を振り返ってみて思うことはなんだろうか。

この一年は、長かったですね。ここ最近のなかで一番長かったです。4月にプロデビュー戦をして、6月、8月、9月、12月と連戦して、全勝で終わることができました。でも僕、1月にあったアマチュア大会で負けているんです。今、大学4年なんですが、3年のときに「この一年間で、もし負けるようなことがあったら格闘技をやめよう」って思うくらい一戦一戦に懸けていたんです。大学卒業後の進路も考えなきゃいけなかったんで「アマチュアで負けるくらいなら、プロでは勝てないだろう」って思っていて。それが負けてしまい、「自分が一番強い」っていう思いが崩れた瞬間でした。

でも、兄貴(プロ総合格闘技選手 松嶋こよみ)に言われたんです、「それほど練習したか?」って。振り返ってみると、「たしかに練習でも試合でも、まだまだできたことがあるかもしれない」って気付かされました。

プロデビューの話をもらったときは「今デビューしていいのかな」って迷いましたね。でも自分の戦い方は、後方への投げ技や締め技も有効なプロ向きだと思いました(※アマチュアルールでは後方への投げ、締め技は禁止されている)。レスリング、柔術もやっていたし、それに元々人に見られた方が強くなるタイプなので、プロの決意をかためました。

自分の“弱点”を強みにするため、SBを選んだ。
幼少から格闘技に触れてきたマツシマ選手とSBとの出会いは?

格闘技は物心つく前からやっていたんです。兄貴が4歳から空手をやっていて、それで一緒にはじめたので、たぶん2歳から。そのときの記憶はないですね(笑)。設計士をしている父ですが、プロレス、格闘技が大好きだった影響です。だから自分の意志で格闘技を始めたわけじゃなく、物心つく前から歩んできた道が格闘技だったんです。

空手は1、2年やって、小学校から中学1年まで柔道、小学4年からはレスリングも並行して、そのときパンクラス横浜道場でキックボクシングと柔術、グラップリングを全部。その中でメインでやっていたのは、レスリングでした。高校はレスリング留学で京都へ行き、兄貴と高校も一緒でした。

レスリングはしていましたが、オリンピックを目指すとかではなかった。すべてのゴールは「総合格闘技」でした。レスリングで強くなって、それをいかに「総合格闘技」に変換できるか、そういう考えだったんです。それは父親の影響ですね。親父は「総合格闘技が一番強い」って人だったので目指すべき先が自然と決まっていました。

自分の“弱点”を強みにするため、SBを選んだ。

そんなときに、大きな怪我をしてレスリングが出来なくなってしまい…。だから大学1、2年の2年間くらいは何にもしていなかったんです。最初の頃は、それこそ学校行って、バイトやってみたいな、普通の大学生の生活をしてみたかったんで楽しかったんですが、だんだん自分らしくないっていう違和感しかなくなって。スケボーとか毎日やるくらいやっていた時期もありましたが、でもどこかで「格闘技やって強くならなきゃ」っていうアイデンティティがあるから、どうもしっくりこないんです。

そんなとき、スケボーで渋谷を通ったら、線路沿いに「シーザージム」の看板を見つけて「あ、SBのジムがこんなところにあるんだ」って思って。早速ジムに行きました。「プロ志望」って伝えたら、「だったら浅草に行った方がいいよ」と教えてもらい、シーザージム浅草に入ることになりました。

自分の“弱点”を強みにするため、SBを選んだ。
総合格闘技の選手を見据えてきたマツシマ選手。なぜSBの道を選択したのだろう。

レスリングをベースにした自分の得意分野で挑戦するのではなく、打撃を強化して自分の強みを高めたいって思ったんです。それと、また格闘技をはじめるのなら兄のいる場所じゃなくて、新しい環境に身を置きたかった。真っさらな状態から再スタートを切りたかったんです。

今、シーザージム新小岩で大江慎さんに(元SB日本スーパーフェザー級王者)週一で教えてもらっているんですが、大江さんの指導にうなずくことが本当に多くて。前に言われたこと印象的だったのは、僕の構えで前足のつま先が少し内側だったのを、大江さんが「キックを蹴るとき、つま先が前向きの方がスムーズに蹴れる」って指摘されて、やってみたらその通りで驚きました。
大江さんの言葉で「かっこいいことがキレイで、キレイなことが強い」って言うのを聞いて、そんな打撃がしたいって思っています。ガード、ステップ、どれをとっても一挙一動がキレイに見える。それを体現している自分は…まだ、イメージしきれていないけど(笑)、少しずつでも近づけたいですね。

一番のライバルは兄貴です。趣味が一緒なので、買い物にいったり仲はいいけど、兄貴には負けられない。今追いついたんですよ、兄の連勝記録に。5連勝。でも、僕は判定勝ちもあっての5連勝で、兄貴は全部KO勝ちだった…。
僕の試合をみた兄貴には、「今のまんまじゃ勝てないよ」って言われます。9月の後楽園大会の試合直後もずっと説教されていました。
プロとして一番大事なのって勝ち負けももちろんですけど、「ちゃんと勝つか、ちゃんと負けるか」だと思うんですよね。KOするか、されるか。お客さんにとって最高の試合をするか。その点、兄貴は勝ちも負けもKO決着なので説教されても、兄貴の試合の方が面白いから何も言えない…。だからこそ、今は勝ち続けたい。5連勝じゃなくって、10連勝くらいすれば、兄貴に追いつけるのかな…。

自分の“弱点”を強みにするため、SBを選んだ。
スニーカー集めが趣味と話すマツシマ選手の、こだわりぶりとは?

靴を見ている時間が一番好きですね。彼女よりも靴が欲しい(笑)。今も、これから自宅に注文した靴が届くんで、楽しみでしょうがないんですよ。自宅の間取りは1Roomですけど、靴は常時50~60足くらいはあると思います。
その日履いた靴は、帰ったら汚れを落として手入れをして密封ビニール袋に入れて、乾燥剤を入れて保管しています。履かないで保管する用の靴はクリアケースに入れてあります。すべての靴を毎日手入れすることは無理ですが、練習終わって夜帰宅してからの靴の手入れは欠かしませんね。ときどき、朝起きた瞬間に「あ、靴が見たい!」って起きるときもあります(笑)。

自分の“弱点”を強みにするため、SBを選んだ。
最後にマツシマ選手に、今後の目指す先を聞いた。

僕、投げの選手だと思われたくないんですよ。他の選手に比べて、投げ技や締め技は自分に部があるって思っているけれど、魅せたいのはそこじゃないんで。応援してくれている人からも投げ技を期待されているのかな、って思うところがあるので、流れの中で投げ技は出すものなんですが、時には半ば強引にねじ込むときもあります。本当はそこじゃなくって、打撃でKOしたい。でも、投げ技がフォーカスされるってことは、打撃をもっと強化しなきゃって思っています。

今の僕に一番足らないのは「経験」です。変な言い方ですけど、今年自分はどこかで負けるかもしれません。と言うのも、そのぐらい強い相手と戦うだろうなって腹づもりしているんです。でも、そう思える相手と戦うときは、もっと強くなれるとき。兄貴にも負けられないし、KOもいっぱいして勝ちにいきたいです。

僕は格闘技以外にもやりたいことがあって、アパレルの会社を作りたいんです。高校のときから経営を勉強しているので、選手をやろうか起業しようか迷った時期もあったくらいで。今は格闘技をやっている人のセカンドキャリアになれるような会社が作れたらいいな、って。会社をやるにも、何をするにも、僕には常に格闘技の血が流れているんです。

自分の“弱点”を強みにするため、SBを選んだ。

試合のコスチュームも自身がデザインするなど、多彩ぶりがうかがえるマツシマ選手。幾つもの格闘技が融合したファイトスタイルの変貌は未知数を秘めている。トップ戦線を脅かしそうなマツシマ選手の活躍に注目が集まる。

2月11日(土)開催『SHOOT BOXING 2017 act.1』大会概要
https://shootboxing.org/tournament_schedule/12333

聞き手 : 高橋藍

マツシマ タヨリ プロフィール写真

マツシマ タヨリ

1994年12月15日生まれ 神奈川県横浜市出身 シーザージム浅草所属
SB日本スーパーウェルター級
179センチ/76.0キロ
戦績5戦5勝(2KO)

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