10.28シーザー武志会長がゲスト出演のトークショー、大盛況に終わる
10月28日(土)、『週刊ゴング』『ゴング格闘技』」『ワールド・ボクシング』各編集長を歴任し、現在「株式会社UPPER」の代表取締を務める舟木昭太郎氏が主催するトークイベント「舟木昭太郎トーク&オークションの午後」に、シュートボクシング協会のシーザー武志会長がゲスト出演した。
毎回、レジェンドファイターをゲストに舟木氏の鋭い目線で繰り広げられるこのトークショーに、シーザー会長が登場するのは昨年に続いて2回目。今回も、人生の酸いも甘いも噛み分けた格闘技界の大御所二人が貴重なエピソードを披露した。
いまから45年前、キックボクシングでデビューを果たしたシーザー会長(当時は西尾ジム所属)。「そのときは負けたけど、舟木さんに『ゴング』で取り上げていただいて本当にうれしくて。20冊くらい買って家族や友人に配った」と感謝を表し、舟木氏も「あの頃は目黒ジムの全盛だったけど、シーザーさんはデビューの頃から目つきが違った」と、若き日のシーザー会長の勇姿を振り返った。また、舟木氏が「キックを90戦以上やった割には、シーザーさんは顔が崩れてない」と水を向けると、シーザー会長は「痛かったらすぐ倒れていたので(笑)」と冗談で返すなど、二人は軽妙洒脱なやりとりで会場を和ませた。
さらに話題がUWFとの出会いに移ると、シーザー会長は「最初に佐山(聡)が『キックを教えてください』と言ってきた。そのあとに前田(日明)や高田(延彦)、山崎(一夫)も合流してきて。一番凄かったのは佐山。教えれば教えるほど吸収していった。逆に格闘技経験のなかった高田は遅れを取ったけど、彼は合同練習のあとも一人でトレーニングを積んで頭角を表していった」と、昔を懐かしんだ。
続いてトークテーマは現在のシュートボクシングへ。シーザー会長は自身の息子であり、現SB日本スーパーフェザー級王者の村田聖明について、「本当は格闘技をやらせたくなかった。本人には『俺たちは親子だけど、協会では別だぞ』と言い伝えた。でも、協会に行くときに『車に乗っていくか?』と聞くと、『いや、僕はバスで』と言われるとちょっと寂しいかな(笑)」と親心を覗かせる一幕も。
そこから話題が教育論に繋がり、舟木氏が「シーザージムに行くたびに、選手たちの礼儀の正しさには本当に感心する」と感想を述べると、シーザー会長は「ウチの選手たちには人間として大切なものを学んでほしい。強いだけがすべてじゃない。礼儀のない強さは暴力でしかない」と熱く語った。
次は現在、RIZINでも活躍中のRENAの話題へ。シーザー会長は「最初は総合をやることに、本人も二つ返事ではなかった。でも、いざやってみたら平気で相手の顔を踏むところは女性の強さというか(笑)」と笑いを交えながらトーク。RENAはRIZINの10.15福岡大会ではアンディ・ウィンに左ボディでTKO勝利。それについてシーザー会長は「彼女は左ボディが強い。あとは三日月蹴り。それを活かしたほうがいいとセコンドに伝えたら、案の定だった」と、勝利の舞台裏を明かした。
また、イベントには初代SB日本女子ミニマム級王者のMIOも特別参加。愛らしい笑顔でイベントに花を添えると共に、11月22日(水)に東京ドームシティホールで開催される『-SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT-GROUND ZERO TOKYO 2017』や、12月のシュートボクシング初の香港大会をアピールした。
そのほか、イベント終盤にはオークションも行なわれ、シーザー会長の座右の銘である「志有る処に道は開ける」と直筆で書かれた色紙や、RENAとMIOの写真セットが高額で競り落とされ、会場は大賑わい。そして、最後にシーザー会長の音頭により全員で「1、2、3、シュート!」を合唱し、イベントは盛況の中、幕を閉じた。