SHOOT BOXING2011 act.1 -SB166-
2011年2月19日(土)後楽園ホール
2月19日、後楽園ホールには『SHOOT BOXING 2011 act.1』が開催された。年間シリーズ開幕戦となる今大会はオープニングファイトから激闘の連続に。大会スタートから4試合続けてのKO決着となり、その後も歌川暁文と菅原悠次によるダウンの応酬、高橋藍がサーサ・ソーアリーを一方的に下して実力をアピールするなど、見応えのある試合が続いた。
注目された総合ファイターの試合では、鈴木博昭がローキックを中心に攻めて大澤茂樹に勝利、鈴木悟は弘中邦佳にパンチでKO勝ち。しかしタックルを駆使しながら最後まで粘った大沢、豪快なバックドロップでシュートポイントを奪取した弘中も、シュートボクシングでの可能性を感じさせたといえるだろう。
そしてメインイベントでは、タイの豪腕ボーウィー・ソーウドムソンと宍戸大樹が対戦。両者は一昨年9月に対戦し、ボーウィーが勝利。宍戸にとってはリベンジ戦であり、昨年の『S-cup』における一回戦敗退という屈辱からの再起戦でもある。
試合が始まると、宍戸は軽快なステップでボーウィーをパンチの間合いに入らせないことに成功。カウンターの左ストレートでダウンを奪うと、2Rには首投げでシュートポイントも獲得。ローキックでも的確にダメージを与えるなど、ボーウィーの猛攻にさらされながらも終始、試合をリード。宍戸は3-0の判定でリベンジを果たすとともに、2011年のシュートボクシングを最高の形でスタートさせた。
また、4月大会ではRENA、日下部竜也、そしてアンディ・サワーの出場も決定。シュートボクシングはさらに勢いづくことになりそうだ。
■宍戸大樹のコメント
「序盤はかっとなってしまって向こうのペースに巻き込まれそうになりました。どうして、あれだけパンチや蹴りに耐えられたのか、自分でも不思議なくらいです。勝ててほっとしてます。
相手も出てくるはわかっていたので、気持ちを緩めることはなかったです。1Rも気が抜けなかったんですが、左(ストレート)がしっかり出せれば相手は倒れるという自信がありました。これからも持ち味を活かす闘いを突き詰めていきたいです。
青コーナーで試合するのは久しぶりだったんですが、気持ちを新たにできましたし、落ち着くことができました。挑戦者だっていうことを実感できましたね。これからも挑戦者の気持ちで、前に前に行きたいと思います。
緒形さんや吉鷹さんに『辛抱だ』と言われたんですが、その通りだと思いました。気持ちが折れかけたこともあったんですが、あきらめなくてよかったと思います」
第10試合
エキスパートクラスルール 3分5R無制限延長R
ボーウィー・ソーウドムソン
vs
宍戸 大樹
5R判定3-0
1R、距離を取ってロー、前蹴り、ミドルと蹴り中心で攻めていく宍戸。ボーウィーも距離を詰めてフック、ボディを放つが、宍戸はジャブで突き放す。ワンツーで前に出るボーウィー。宍戸はロー、ジャブで攻撃。ボーウィーが跳び蹴りを出せば、宍戸はバックキックで応戦。終了間際、宍戸はカウンターの左ストレートでダウンを奪う。2R、宍戸はなおもステップを使い、ジャブと前蹴り。さらにバックキックで牽制。ボーウィーは詰めてボディ。ボーウィーはだんだんと距離を詰めると、フックを連打。だが宍戸もフック、アッパーを返していく。2分前後、ボーウィーは右ハイも繰り出す。ボーウィーはコーナー付近でフックを畳みかけた後、股をすくって投げを狙うが失敗。逆に宍戸は投げでシュートポイント1を奪取。3R、宍戸はロー連発からバックキック。だがボーウィーも強烈なパンチを繰り出してくる。ボーウィーはしゃにむに前進してくるが、宍戸はジャブで距離を測り、攻め込ませない。ボーウィーが詰めると宍戸はアッパー。なおも前進を続けるボーウィーに、宍戸はジャブ、ロー。だがボーウィーはロープ付近ではフックをヒットし、終盤には右ハイも。だが宍戸も右ハイを出し、ゴング間際にはバックキックもヒットさせる。4R、開始と同時にボーウィーはヒザ。ボーウィーは左右フックを振るってくるが、宍戸はジャブから右ハイで応戦。ボーウィーは投げ狙いからバックブローをヒット。中盤の接近戦では宍戸がアッパーをヒット。宍戸は巧みに回り込み、ボーウィーに攻撃を集中させない。2分、ボーウィーはジャンプしての右ハイをヒット。攻撃のチャンスをうかがうボーウィーに、宍戸は距離をうまく操ってしのいでいく。そして最終5R、ボーウィーは序盤からハイを出してくるが、宍戸はアメ蹴りとジャブで牽制。さらに蹴り足をキャッチして転がすと、ボーウィーの顔には笑みが浮かぶ。ローから回り込んでいく宍戸だが、ボーウィーも強烈なフック連打。宍戸は突き放すと左右のバックキック。倒すしかないボーウィーは左右の拳を振るうが、2分過ぎ、宍戸はその腕を取ってアームロックに。これは体勢が崩れる。残り1分を切ると宍戸はバックキックを連発。そのまま試合は終了すると、客席からは大きな歓声と拍手が。判定はダウンとシュートポイントを奪っている宍戸が取り、リベンジ成功とともに復活ののろしを上げることに成功した。
第9試合
エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
鈴木 悟
vs
弘中 邦佳
KO 1R1:55
ジャブを出す鈴木に、鈴木はローで応戦。組み付くとバックに回り、高々と投げてシュートポイント2を奪取。弘中はなおもロープに詰めてラッシュをかけるが、鈴木は右フック一発で弘中をダウンさせる。立ち上がった弘中は反撃を図るが、鈴木はまたも右フックでダウンさせる。弘中は立ち上がったものの、レフェリーは試合続行不可能と判断。鈴木が短時間ながらも劇的な展開でKO勝利を収めた。
第8試合
エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
鈴木 博昭
vs
大澤 茂樹
3R判定3-0
圧力をかけ左ローを入れる鈴木に、大澤はフック系のパンチで応戦。だが鈴木はローからミドルに移行するとパンチも放っていく。低いタックルから組みにくる大澤にヒザを入れた鈴木は、大澤が投げを失敗すると立ち上がりざまに左ストレートでダウンを奪う。2Rにはバックキックをかわした大澤が鈴木をキャッチして投げを狙う場面も。鈴木がコーナーに詰めて左ローを連打すると、嫌がった様子の大澤は反則のタックルに。一方鈴木はタックルに対し自分から寝てしまうため、イエローカードを提示される。ラウンド終了間際には大澤が投げでシュートポイント1を奪取、鈴木はゴング後にも攻撃をやめなかったため、イエロー提示で減点1に。3R、鈴木は左ローから右ハイと攻めるが、大澤は倒れた鈴木に攻撃しイエロー。鈴木は左ミドルをヒットするが、大澤は大振りの左フックをヒットし鈴木のバランスを崩させる。鈴木が左右パンチでラッシュをかけるも、大澤も左右フックで反撃。終盤は打ち合いに。判定はジャッジ3者とも鈴木を支持。荒れ気味の乱戦となったが、鈴木が勝利を収めた。
第7試合
エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
高橋 藍
vs
サーサ・ソーアリー
TKO 2R2:55
開始早々から組みにくるサーサに対し、高橋は右、ヒザ蹴り。また投げも積極的に狙っていく。終盤には空間を作ってのヒザ蹴りを2発ぶち込み、サーサの動きが止まる。2Rは高橋が序盤からパンチで攻め、首投げでシュートポイント1も奪取。中盤にはワンツーからのヒザで大きく後退させ、さらにヒザ連打でダウンを奪う。なおも右ストレートからヒザ連打でダウンを奪うと、サーサはファイティングポーズを取らず高橋のKO勝ちに。高橋がムエタイ王者を完璧な形で破ってみせた。
第6試合
エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
伏見 和之
vs
津田 達也
KO 2R0:50
パンチとロー、ミドルで攻める伏見に、代打出場となった津田もパンチのコンビネーションとミドルで応戦。2R、攻撃のスピードを増した伏見のパンチに合わせて津田の左ハイが一閃! ダウンを奪われた伏見は立ち上がれず、津田がKO勝利。ノーマークの代打出場で、まさかの大番狂わせを演じてみせた。
第5試合
エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
菅原 悠次
vs
歌川 暁文
KO 3R1:58
1R序盤から菅原の仕掛けに歌川が応じる形で、激しい打ち合いを演じる両者。歌川がミドルを叩き込めば、菅原はハイをヒット。終盤、フック・ラッシュから菅原が左フックでダウンを奪うが、終了間際には歌川が右フックでダウンのお返し。2R、歌川はバックドロップでシュートポイント2を奪取。中盤にはまたも打ち合いとなり、今度は菅原が右フックでダウンを奪う。3Rも打ち合いとなったが、中盤の歌川の右で菅原が大きく後退。歌川は一気に詰めてパンチを叩き込み、右フックで倒すと菅原は起き上がることができず。大激戦を崖っぷちのベテラン、歌川が見事に制した。
第4試合
エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
高嶋 龍弘
vs
元貴
3R判定2-0
左フックを中心に前に出る高嶋。中盤には右フックをヒットし元貴を下がらせるが、元貴もミドル、ボディで応戦。2R、序盤に元貴が右フック連打で攻め込み、その後も要所で左ボディを打ち込むが、高嶋は終盤にコンビネーションで反撃。3Rも序盤に元貴がパンチでラッシュをかけるが、高嶋は前に出続け、終盤にはコンビネーションを連続ヒット。傾きかけた流れを一気に引き戻し、高嶋が同一カード3連勝となる判定勝ちを収めた。
第3試合
フレッシュマンクラスルール 3分3R無制限延長R
松花 征也
vs
本村 康博
KO 2R2:10
両者ともに手数を出し合う展開。本村がパンチから右ハイへのコンビネーションを多用すれば、松花はボディをヒット。1R終了間際、松花がローブローによりイエローカードを提示される。2Rになると本村が猛攻を開始、パンチからミ ドルで前進し、左フックでダウンを奪う。だが再開後、松花の左がヒットすると本村が後退。だが本村がさらに猛攻を続け、松花はスタンディングダウン。松花もボディを返すものの本村の手は止まらず、右フックで試合を決めた。
第2試合
フレッシュマンクラスルール 3分3R無制限延長R
亮AKB
vs
チャップリン木山
TKO 延長1R1:25
トリッキーな構えを見せる木山に対し、亮はパンチで突進してペースを握るが、中盤からは落ち着きを取り戻した木山がロー、ミドル、ヒザを繰り出し突進を止める。2R、フック、ボディとパンチを振るう亮に、木山は顔面への前蹴り、ハイキックで応戦。3R序盤に木山は変則の左ハイをヒット、さらにミドルをヒットさせる。終盤には亮が右フックをヒットし、本戦終了。判定は三者三様のドローとなり、延長に突入。延長R、亮がフック連打から首相撲にとらえヒザ蹴り連打で木山が左目尻をカット。再開となったが木山の出血が止まらず、亮のTKO勝利となった。
第1試合
スターティングクラスルール 2分3R無制限延長R
坂本 優起
vs
坂東 太郎
KO 3R1:18
序盤からタックルを狙ってくる坂東に対し、坂本は左ミドル、右アッパーなどで攻勢。坂東もフック系のパンチで反撃を狙う。2R、坂本はジャーマン気味に投げるもシュートポイントにはならず。フロントチョークでキャッチポイント1を奪取。終了間際には坂本がパンチ連打でダウンを奪う。3Rも坂本が右ハイなどで攻め続け、ヒザ蹴りで2度のダウンを奪う。2度目のダウンでレフェリーがストップ、坂本がKO勝ち。
オープニングマッチ第1試合
JAMBO YO-SUKE
vs
林 慶樹
KO 2R0:37
1R、右ストレート、右ミドルを入れ優勢に運んだ林だったが、バランスを崩して倒れたところにYO-SUKEが蹴りを入れ、試合は中断。林にダメージがあるためYO-SUKEは減点1。2Rに入ると、左ハイでYO-SUKEがダウンを奪う。そのままストップとなり、YO-SUKEがKO勝ちを収めた。