10.11 海人「70kg世界最強になって、最後に立っているのは間違いなく僕」

2025年10月11日(土)東京・後楽園ホールで開催される『SHOOT BOXING 2025 act.5』のメインイベントで元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級1位のペットマイ・スィアダム.ムーパーラー(タイ)と対戦するSB世界スーパーウェルター級王者・海人(TEAM F.O.D)。前回6月のエンリコ・ケール戦で敗れ、キャリア初の二連敗となった海人だが、再び“世界最強”を求めて再出発する。完全復活なるか。
――前回6月のエンリコ・ケール戦を振り返ってもらいたいと思いますが、敗因をご自身ではどう分析していますか。
海人 いろいろありますけど、僕の倒したいというこだわりで出した手数が、ケール選手と比べて少なかったり、5月のモハメド・シアサラニ戦と同じくアグレッシブさに関しても、その2選手の見え方が良かったのかなと思います。
――“ハリケーン”の異名通り、ケール選手は1R開始のゴングと同時にパンチ連打で前進してきましたが、あのケール選手の前に出てくる手数の多さはイメージ通りでしたか?
海人 そうですね。ケール選手は特にインファイターでクラウチングで入ってくるタイプなのかなとは思っていました。そこのイメージはしっかりできていたて、自分が手数で上回るというより、適格に攻撃を当てることにピントを合わせて勝つイメージで行ったんですけど、そういうことだけではなく、手数でも上回って圧倒するだけではなく、倒すということをもっとしっかり強化していかないといけないことが前回の反省点になりました。
――ご自身としてはキャリア初の二連敗をどう受け止めましたか。
海人 試合が終わってからはなんと言ったらいいのか分かりませんが、結果を素直に受け入れるというか、理解するのにも時間がかかったし、落ち込みましたし、いろんな感情がありました。
――気持ちが戻るには結構時間かかったんでしょうか。
海人 そうですね。格闘技自体を辞めようとか全然思わなかったんですけど、ベスタティ選手へのリベンジを目標にしてきて、そこに挑戦するための最後の一人がケール選手で、そこで負けたことでたどり着けないし、次はどこを目指していけばいいんやろなと。僕が最終的に目指しているのは世界最強なので、そこに向けて気持ちの切り替えはすぐにはできなかったですけど、練習は再開しました。
――2023年8月に敗れているGLORYライト級王者ティジャニ・ベスタティ選手へのリベンジを掲げていた中、突然ベスタティ選手のMMA転向の発表もありました。
海人 ベスタティ選手はそういう選択肢もいいと思いますし、MMAに挑戦することは凄いことだと思いますが、ベスタティ選手はライト級タイトルを保持したままウエルター級に階級を上げてタイトルにも挑戦しています。僕はケール選手に負けましたが、ケール選手へのリベンジを含めてタイトル戦に繋がるように交渉しているとSB協会を通してGLORYサイドからはその発表の数日前に聞いていたのですが、ベスタティ選手がMMAに転向するというニュースを見て、ショックというか、どうなっているんやろうと複雑な気持ちでしたね。実際、ベスタティ選手はライト級王座を返上してしまい、MMAに転向すれば、僕が挑戦することはできず、潔く諦めるしかないので今はとにかく世界最強に向けて頑張っていくしかないなと前向きに捉えることにしました。
――ご自身としてはキャリア70戦目で初の2連敗となり、何か練習メニューなどを改めたりと変化はありました?
海人 練習方法を特別に変えたりすることはなかったのですが、自分のスタイル、戦い方といった基礎的なことを見つめ直して、どんな相手でも対応していくのではなく、圧倒して自分のスタイルを貫かないとダメなので、そこに勝っていくためにどうしたらいいかをケール戦以降、いっぱい考えて今まで練習してきたので、全体的にレベルが上がっているのは間違いありません。そこでどんな相手が来ても倒す準備はできているのを自分でも確信しているので、10月の試合で見せて結果を出したいと思います。
――今回対戦するペットマイ選手は100戦近いキャリアを持ち、現在はRWS(ラジャダムナン・ワールド・シリーズ)を主戦場にする26歳の元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級のトップランカーという情報があります。試合映像を見ていたらどういう印象がありますか。
海人 ムエタイ独特のリズムで戦う印象を受けました。僕はムエタイ選手とは何度かやってきて負けた選手はタイ人選手が多いので、そういうことも含めて油断できない相手かと思います。
――海人選手はこれまでにチャムアトーン、ピンペット、ペットモラコットといったタイのトップファイターに敗れていますが、ムエタイの選手との相性はどう考えていますか。
海人 苦手意識は特にないですし、相性がいいわけでもなく、悪いわけでもないのかなと思います。
――どういう勝ち方を考えていますか。
海人 今はもう負けたくないという気持ちが強いので、純粋に勝ちたいですし、今までと変わらず勝ち方にもこだわって、誰が見ても海人が勝ったと思われる試合をして、自分が今まで作ってきた武器や考えてきたことを10月の試合でどれだけ出せるのか自分でも楽しみです。
――11月24日にSB40周年大会が開催される中で、10月大会に出るとは思わなかったファンも多かったかと思いますが、ご自身としては試合をすぐにでもしたかったのでしょうか。
海人 僕的には6月に試合が終わってから、8月、9月も試合はできたんですけど、対戦相手のことを含めて準備が間に合わず、11月の試合前に一戦挟みたいと思っていたので10月の出場になりました。
――10月大会でいい勝ち方をして、11月大会の対戦相手は、ご自身としては誰とやるのがベストだと思いますか。
海人 誰とやりたいというのは特にないですけど、ただ一つのけじめとして僕はベスタティ選手に挑戦はしたかったんですけど、ベスタティ選手が返上したGLORYの70kgのベルトを今後GLORYが動かしていくのであれば、そのベルトを懸けたトーナメントの一回戦でもやれれば、SB40周年の大会として一番盛り上がる形にはなるのかなとは思っています。それがかなり難しいということも分かっているので、そこはどうなるのかなという感じではあります。
――今後はケール選手にリベンジしないといけないと思いますが、次やれば勝てるといういった手応えはありました?
海人 今の気持ち、体の状態、戦い方、考え方を含めて、今なら勝てる自信ももちろんあるし、前回の試合ももちろんそうでしたが、今ならより一層そう思うので、ケール選手にもリベンジしたいと思いますけど、そのタイミングや流れはSB協会にお任せしたいと思います。
――今後に関しては、海人選手が保持しているRISEミドル級タイトル初防衛戦の話があったり、KNOCK OUTでは海人選手と対戦させたいとシッティチャイ選手の参戦が発表されたりと、忙しくなりそうですね。
海人 僕がRISE、KNOCK OUTのベルトを保持させてもらったままGLORYのタイトルに挑戦し、GLORYのタイトルを獲った後にその二団体のベルトを返上させてもらうのがいいかと思っていたのですが、今後、GLORYのタイトルがどうなるのか分かりません。
今までは二団体に挑戦者として相応しい相手がいなかったこともあって、防衛戦はずっと遠のいてたんですが、RISEさんに関してはサモ・ペティ選手が次期挑戦者なのかなとも思ってるし、KNOCK OUTさんに関してはもう完全にシッティチャイ選手しかいないと思うので、タイミングが合えばしっかり防衛戦をさせてもらえればと思ってます。
――二連敗して心配していましたが、以前と変わらずやる気に満ちた声を聞くことができて安心しましたし、今後が楽しみになりました。
海人 ありがとうございます。今、立ち技格闘技が盛り上がっている中で、僕は二連敗という形で終わったままなので、僕もしっかり存在感を見せていかないとあかんし、70kg世界最強になって、最後に立っているのは間違いなく僕だと思っているので、しっかり結果を出していきたいと思っています。そこに向けた戦いがこれから続きます。まずは、次の試合ですね。皆さんに強くなった姿、勝った姿をまた見せたいと思うので、楽しみにしていただけたらなと思います。

▼70.0kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R
海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級王者)
vs
ペットマイ・スィアダム.ムーパーラー(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーウェルター級1位)























