シュートボクシング

4.13アンディ・サワー、鈴木悟をKO!




4月13日(金)東京・後楽園ホールにて、「SHOOT BOXING2012~Road to S-cup~act.2」が行われた。


<全試合結果>


▼メインイベント(第8試合) エキスパートクラスルール 70.0kg契約 3分5R無制限延長R
○アンディ・サワー(オランダ/チーム・サワー/S-cup2002・04・08優勝)
TKO 2R2分52秒 ※3ノックダウン
●鈴木 悟(Unit-K/バンゲリングベイ・スピリット/SB日本スーパーウェルター級王者)


 元プロボクシング日本ミドル級王者の鈴木は、2月大会で“ムエタイの破壊神”ボーウィーと対戦。1Rにダウンを奪い、大激闘の末に戦前の不利の予想を覆して勝利を収めた。秋に開催される『S-cup2012』へ向けて最高のスタートを切ったわけだが、その鈴木の前に最強の敵が立ちはだかる。今年、4度目のS-cup制覇を狙うサワーである。鈴木は「肉を切らせて骨を断つ」戦法で大番狂わせを狙うという。


 1R、鈴木が前へ出て飛び込むように右ストレートを連打していく。ガードを固めるサワーだが、鈴木の左ボディには左フック。さらに組んでのヒザ蹴り。前へ出る鈴木に右ローを連打し、組んでくるとヒザ蹴りを太ももに突き刺す。鈴木は投げを狙うが、これは失敗に終わる。


 サワーは右ローからパンチ連打、ヒザ蹴り。サワーが鈴木とパンチで打ち合う! そして左インローで鈴木をグラつかせ、鈴木はヒザ蹴りをもらって左目上から流血。


 パンチとローで攻めるサワーに鈴木は投げを見舞うが、サワーは後ろ足を素早くロープに引っ掛けて防ぐ。ローとパンチのコンビネーションで鈴木のヒザが何回も折れ曲がる。

 2R、頭を左右に振りながら前へ出る鈴木にローを蹴るサワー。顔面とボディにパンチを打ち分ける鈴木だが、サワーが逆にパンチで押し返し、左ボディを決める。パンチの打ち合いからサワーの左インローが決まり、鈴木はダウン。


  猛然とパンチで襲い掛かるサワーが鈴木をコーナーへ詰めてめった打ち! サワーが右ローでまたもダウンを奪う! 立ち上がった鈴木に顔面へのヒザ蹴りとパンチの連打。圧倒される鈴木だが、サワーの首を抱えるとフロントチョーク! しかし、サワーは首を引き抜いて脱出。サワーは右ローを蹴り続け、そして最後は鈴木をつかんだまま左インロー! 鈴木は前にバッタリと倒れ、サワーが激闘をKOで制した。


 サワーはマイクを持つと「自分にとってこれが本当の意味での今年初めての試合。いい試合が出来ました。厳しい試合でしたが、勝つことが出来てよかった。鈴木はタフで素晴らしいハートを持った選手でした。勝ててよかった。今年はS-cupがあるので、皆さんの応援をよろしくお願いします」と、笑顔でファンに語った。


 また、試合後のインタビューでは「今年は全勝で行きたい。まずはK-1 WORLD MAXで優勝して、S-cupでも優勝することが最大の目標だ」と世界トーナメント2大会制覇を目標に掲げた。


▼セミファイナル(第7試合) エキスパートクラス特別ルール 66.0kg契約 3分3R無制限延長R
○鈴木博昭(ストライキングジムAres/SB日本ライト級王者)
KO 3R終了時 ※右フック
●リオン武(シューティングジム横浜/修斗第5・8代世界ライト級王者)


 2・12愛知大会でSB日本ライト級王者となった鈴木と対戦するのは、元・修斗世界王者のリオン。総合格闘家でも屈指のハードパンチャーで、修斗では2度世界タイトルを獲得。昨年はDREAMフェザー級王者・高谷裕之とのタイトルマッチも経験している。SBには今回が2度目の参戦となるが、昨年11月のTDCホール大会では初参戦でいきなりSB東洋太平洋ウェルター級王者・宍戸大樹に勝利している。


  リオンが再びSBのリングで現役王者を相手に強さを発揮するのか? それともSB公式戦では総合格闘家に無敗の“総合格闘家キラー”鈴木がSBの牙城を守るのか?


 1R、鈴木の左インローに対し、リオンは前蹴りで転倒させる。リオンが右ストレートのフェイントをかけると、サッとブロックを固める鈴木。左ハイキックを放った鈴木の蹴り足をリオンは肩口で受け止め、そのまま持ち上げて投げる! これにシュートポイント1点がリオンに与えられた。

 2R、鈴木はジャブを出しながら左ハイキック! これも受け止めて投げに行こうとしたリオンだが、上手くは投げられない。すると今度は鈴木がタックルから後方への投げ! これもシュートにはならず。組んでのヒザ蹴り、ローで攻めていく鈴木は左フック。ガードを高く上げながら前へ出て、ローとパンチ、前蹴りを出していく。リオンは前蹴りをつかむが、このラウンドは下がり続けた。


 3R、鈴木の左ハイキックにリオンは軸足払いを合わせて転倒させる。鈴木はまたもハイキックをつかまれて投げられかけるが、構わず続けてハイキックを蹴っていく。リオンは右ボディストレート、鈴木は右ロー。鈴木は過剰なまでにブロックを高く上げ、リオンがボディを打ってくると左フック。鈴木の顔面前蹴り、リオンはハイキックをつかんで回しながら鈴木を倒す。


 残り時間わずかで鈴木が前へ出てパンチを打っていく。コーナーでもつれ合ったところで、両者が同時に右フック! そして両者がほぼ同時に倒れるが、立ち上がったのは鈴木の方。リオンはなかなか立ち上がれず、カウント内に立ち上がったがダメージは明らかで、鈴木が修斗からの刺客をKOで撃退。鈴木のKO勝ちが宣せられるのと、最終ラウンドが終了するのは同時だった。


▼第6試合 エキスパートクラス特別ルール フェザー級 57.5kg契約 3分3R無制限延長R
○ナグランチューン・マーサM16(及川道場/SB日本フェザー級王者)
判定3-0 ※30-28、30-29、30-29
●マモル(シューティングジム横浜/初代世界フェザー級、世界バンタム級王者)


 マモルは総合格闘家でありながらSBで4勝1敗と、立ち技でもその実力を発揮。アメリカで試合を続けていたためSBのリングからは遠ざかっていたが、2月大会で復帰して伏見和之を下した。マモルは「トップランカーにはもうほとんど勝ってますし、そろそろSBのベルトが欲しいですね」とベルト奪取を狙っている。このマモルの快進撃に「ストップ・ザ・マモル」を掲げ、名乗りを上げたマーサは、現在破竹の7連勝をマークしているSB軽量級不動の王者。しかし、マーサは王者になる以前の2009年6月にマモルに敗北を喫しており、今回はSBの威信と自身のプライドをかけたリベンジ戦に臨む。

 1R、組んでのパンチを繰り出すマモルにマーサも打ち返す。両者慎重に相手の出方を窺い、マモルはフックと左ミドル、マーサはロー。


 2R、マーサは右ローから右ハイ、ワンツー。マモルが組み付いてくると上腕を押し付けるようにして引き離す。マモルは蹴りから組み付いて投げを放つが、これはシュートポイントにならず。ラスト1分、マモルはボディから顔面への連打でマモルをコーナーへ追い詰める。


 3R、マモルがタックルで組み付くが、マーサは足をかけて投げをディフェンス。さらにマモルが組んで投げを狙うが、マーサがロープをつかんだため注意が与えられる。左フックの相打ちからマモルがタックル。バックへの投げを狙ったが、これもマーサが足をかけて防ぐ。マーサはワンツーからバックブロー! マーサはさらにボディから左フック、飛びヒザ蹴り。マモルは投げを狙って組み付くが、マーサが最後までディフェンス。判定勝ちでリベンジを果たした。


▼第5試合 エキスパートクラス特別ルール 65.0kg契約 3分3R無制限延長R
○松花征也(シーザージム/GSB/SB日本ライト級2位)
判定3-0 ※三者とも28-27
●中村謙作(吉田道場)


 18歳の“期待の新星”松花は元キックボクシング2階級制覇の水町浩、修斗世界ランカーの不死身夜天慶といった強豪に勝利し、現在破竹の6連勝中。パンチよし、キックよし、投げよし、防御よしのオールラウンダーで、初代S-cup世界王者の吉鷹弘が「ここ2年くらいでトップまで行くかもしれない」と太鼓判を押すほどの存在だ。


 今回対戦するのは、吉田秀彦率いる吉田道場に所属し、パンクラスなどで活躍する中村。自衛隊体育学校出身で、柔道インターハイ準優勝の実績を持つ総合格闘家だ。


  中村が松花を投げまくるのか、松花が高速コンビネーションで中村を退けるのか? またも新星に試練の一戦が与えられた。


 1R、中村は出足払いからのフック、松花は左ジャブと左アッパー。組んでくる中村をいなしていく。体勢を低くして左右フックを放つ中村に松花が左フック、左ボディ、ヒザ蹴り、左ミドル。中村は大きな左右フックを狙い続けるが、松花がヒザ蹴りを合わせていく。


 2R、松花が左右フックとヒザ蹴りで前へ出る。中村は体勢を低くして身体ごと打つような大振りフックを繰り出し、松花は左右ローと左フック。松花が打撃で圧倒する。しかし、ここで中村が組み付いてバックドロップ! シュートポイント2点を奪う。痛い失点をしてしまった松花は一気にパンチでラッシュ。中村は足払いで応戦。松花のパンチ、ヒザ蹴りに中村はフラつく。


 3R、中村は松花をタックルで倒すが、立ち上がると松花はパンチで突進。アッパー、フック、ヒザ蹴りで前へ出て、右アッパーと左フックを連続ヒットさせる。身体を左右に揺らしてフックを打つ中村に、松花の右ハイキックがヒット! それでも中村は立ち続けてフックを打ち返す。中村の粘りにKOは逃したが、松花が全ラウンドでポイントを取って判定勝ちした。


▼第4試合 Girls S-cup-53.5 1回戦第1試合 53.5kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
○魅津希(みずき/白心会/JEWELS Rough Stone GP2010 -56kg級王者)
TKO 3R1分1秒 ※レフェリーストップ
●未奈(みな/秀晃道場/Girls S-cup2011第3位)
※魅津希が決勝戦に進出。


“天才格闘少女”こと魅津希が連続参戦し、対するは“剛腕美人女子大生シュートボクサー”こと未奈という実力者対決が組まれた。両者ともパンチを得意にしているが、魅津希はテクニックで勝負、未奈は一発の破壊力で勝負とタイプは違う。未奈は1月の大阪大会で、過去に魅津希を破ったこともある大阪の岡加奈子から、1Rわずか35秒で衝撃のKO勝利を収めたばかり。


  魅津希は2月のシリーズ第一戦でSB日本女子フライ級王者・高橋藍(シーザー)を破る大番狂わせを起こした驚異の女子高生だ。しかし、未奈は契約体重をクリア出来ず失格負け、トーナメントは魅津希の不戦勝扱いとなった。魅津希サイドの強い希望により試合は行うが、未奈は勝利しても決勝に進出は出来ない。また、グローブハンディは魅津希が断ったためなし、未奈はレッドカード2枚(減点2)からのスタートとなった。


 1R、未奈はゴングと同時に突進して接近戦のパンチと首相撲からのヒザ、クリンチアッパー。魅津希はステップとボディワークを駆使して未奈のパンチをかわし、フックとロー。魅津希が見事なヘッドスリップとブロックで未奈にパンチを当てさせず、ボディへストレートを放つ。未奈は鼻から出血。


 2R、未奈のパンチを全く当てさせず、ボディへのストレート、顔面への右ストレート、強いジャブをヒットさせていく魅津希。未奈の鼻からの出血がさらに激しくなる。


  魅津希は左右フックの連打で未奈を追い込み、鮮やかに未奈のパンチをかわしていく。


 3R、未奈のパンチを当てさせず、右ボディストレートから左フックをヒットさせる魅津希。さらに速いジャブを連打でヒットさせると場内からどよめきが起こる! ここで未奈の顔面が真っ赤に染まり、2度目のドクターチェック。ジャブを突きまくり、未奈のパンチをかわしていく魅津希! 再び未奈の鼻血がひどくなり、ここでレフェリーストップ! 魅津希が減点に頼ることなく勝利を収めた。


▼第3試合 スーパーフェザー級 60.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
○歌川暁文(UWFスネークピットジャパン/同級2位)
延長R 判定3-0 ※10-10、10-9、10-9
●石川剛司(シーザージム/同級4位)
※本戦は30-28(歌川)、30-30、30-30


 1R、サウスポーの歌川が左ローを蹴るところ、石川は右アッパーを合わせる。蹴り合いが繰り広げられ、歌川は前蹴りから左ロー。石川はローを蹴られながらパンチを返していく。


 2R、左ロー&左ミドルで揺さぶりをかける歌川。石川は右フックを合わせ、組み付いては歌川を浴びせ倒す。蹴りと左ストレートで歌川が優勢に立つが、石川は浴びせ倒しで歌川の体力を削っていく。


 3R、接近して左右フックを叩きつける石川、歌川は左ストレートと左ミドル。石川の浴びせ倒しを投げでかわそうとする歌川。石川は組んでのヒザ蹴りと左右フック、浴びせ倒し。歌川は左右フックで打ち合いに出る。判定はジャッジ1名が歌川の勝利を指示したが、ほか2名はドロー。延長戦に突入する。


 延長R、石川が左右フックで前へ出て勝負を懸ける。歌川は右アッパーを突き上げ、石川は身体を浴びせ倒す。お互いにパンチを当て合い、判定はジャッジ2名が10-9で歌川! 接戦を制した。


▼第2試合 エキスパートクラス特別ルール 70.0kg契約 3分3R無制限延長R
○坂本優起(シーザージム)
判定2-0 ※30-30、30-29、30-28
●金井健治(シーザージム新小岩/SB日本スーパーウェルター級2位)


 1R、左ジャブと左ミドルを出しながら、パンチで前へ出る坂本。金井はパンチをブロックしつつ、ジャブを出して左フックを狙う。


  2R、パワフルなパンチの連打とボディへのヒザで前へ出る坂本に、金井はジャブと右ロー。坂本がパンチの連打で金井をコーナーへ詰める場面も。


 3R、金井が右ローと左右フック、坂本は左ミドルとヒザ蹴り。坂本のパンチで金井の左目上が切て出血し、ドクターチェックが入る。


  金井は左右のフックを放つが、坂本の左ミドルに下がらされる。両者最後までよく打ち合い、坂本が判定で上位ランカーの金井越えを果たした。


▼第1試合 エキスパートクラス特別ルール 55.0kg契約 3分3R無制限延長R
○伏見和之(シーザー力道場/SB日本スーパーバンタム級2位)
判定3-0 ※30-27、30-27、30-26
●津田達也(立志会館/SB日本スーパーバンタム級4位)


 1R、伏見は右ストレートで前へ出て行くが、サウスポーの津田は左ストレートと左ミドルで押し返す。ラウンド終了間際には伏見が左フック、右ストレートで津田をコーナーへ追い込む。


  2R、伏見は打ち合いに行きながら津田のボディに狙いを絞る。ボディストレート、ヒザ蹴りを突き刺し、顔面への右ストレート。


 3R、伏見は右アッパーと左フック、右ストレートで打ち合いを挑む。左右のフックを連続ヒットさせ、津田をコーナーへ釘付けにしてスタンディングダウンを奪う。津田も最後まで粘り、伏見が判定勝ち。試合後に、伏見が6月3日にタイトルマッチに挑むことが発表された。


▼オープニングマッチ第3試合 JKS48 1回戦 スターティングクラスルール 48.0kg契約 2分3R延長1R
○MIO(及川道場)
判定3-0 ※30-25、30-26、30-25
●吉良優輝(きら・ゆうき/魁塾)
※MIOが準決勝に進出。


 1R開始早々から右ストレートのカウンターを奪っていくMIO。その後も出会い頭にパンチをヒットさせていくが、Yuukiは強気に前へ出る。


  2R、左フックを当てて組み付いたYuukiを、MIOが首投げ! シュートポイントを奪う。MIOは左ボディ、右フックで追い討ちをかけるが、Yuukiは組んでのヒザ蹴りで粘る。


 3R、右ストレートを打ってきたYuukiを捕まえ、MIOが再び首投げでシュートポイント。MIOが右ストレートからのラッシュを仕掛け、Yuukiをコーナーへ詰めるが、Yuukiは前へ出て必死の応戦。KOは逃したものの、優勝候補のMIOが8月の決勝トーナメントへ駒を進めた。


▼オープニングマッチ第2試合 JKS48 1回戦 スターティングクラスルール 48.0kg契約 2分3R延長1R
○大塚尚子(シーザージム新小岩)
TKO 2R1分33秒 ※レフェリーストップ
●RANNA(P-WOSH空手)
※大塚が準決勝に進出。


 1R、大塚はパンチの連打で前へ出て、フロントチョークからのヒザ蹴り。RANNAも左右フックで下がりながらも反撃するが、連打でコーナーへ詰められてスタンディングダウンを奪われる。


  2Rも大塚はパンチの連打で突進、ストレートでRANNAが仰け反ったところで2度目のスタンディングダウンが宣告され、大塚は首投げも狙う。最後も連打で大塚が圧倒し、レフェリーが試合をストップした。


▼オープニングマッチ第1試合 スターティングクラスルール 62.5kg契約 2分3R延長1R
○浦野啓太(ストライキングジムAres)
TKO 2R1分26秒 ※3ノックダウン
●山室良太(寝屋川ジム)


 1R、海保は浦野のパンチをしっかりブロックし、ワンツー、左ミドル、強烈な右フックをヒットさせる。しかし2R開始すぐ、それまで劣勢だった浦野が右カウンターでダウンを奪う。海保はダウンを挽回しようと反撃を開始するが、浦野は右フックでダウンを追加。最後は右ストレートで吹っ飛ばし、浦野が破壊力抜群のパンチ力を証明した。


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