シュートボクシング

6.15 今大会のテーマは“再始動”。海人がGLORY王座&ベスタティへのリベンジに向けて仮想ベスタティと激突

6月15日(土)東京・後楽園ホールで開催される『SHOOT BOXING 2024 act.3』に向けた[特別コラム]を公開いたします。

「ベスタティにリベンジしてGLORYのベルトを自分の腰に巻く。その挑戦権を得るための戦い」(海人)

前回4月大会、シュートボクシング(以下、SB)世界スーパーウェルター級王座の防衛戦として、ペットモラコット・ペッティンディーアカデミーと再び拳を交えた海人。虎の子の世界王座をかけて、2月に敗れているペットモラコットとのダイレクトリマッチに臨むという、まさに「ここで負けたら終わり」の背水の陣での戦い。「試合前に眠れないこともあった」という海人だったが、現ONE Championshipキックボクシング暫定世界フェザー級王者スーパーボンのもとでムエタイ修行も行い、見事にペットモラコットを攻略し、リベンジを果たした。

ペットモラコットとの2連戦を終えた海人が、次の目標に掲げたのが“世界最大のキックボクシング団体”GLORYのベルトだ。海人は2023年8月にオランダに渡り、テイジャニ・ベスタティが保持するGLORYライト級(70kg)王座に挑戦。190㎝の長身を誇る難攻不落の王者に挑んだ海人だったが、ベスタティの壁は高く、ベルトには手が届かなかった。

海人は改めてGLORYのベルトに照準を絞り、SB協会・緒形健一代表も「GLORYと提携しているRISEの伊藤隆代表とも話をしたうえで、GLORYサイドともコンタクトを取ったところ、ベスタティはライト級王座を保持したまま、ウェルター級に挑戦し、今後もライト級で試合をするという確認が取れた。これから海人がベスタティが持っているタイトルにつながる試合を組んでいきたい」と協会として海人を全面バックアップする意向を示した。

海人のGLORY王座への道、その第一歩となる今大会の相手は元GLORYライト級9位のアルマン・ハンバリアンだ。ハンバリアンはISKA世界ライトミドル級王者で、昨年からGLORYに参戦。初戦でソリン・カリニュークに判定勝ちすると、年末にはエンリコ・ケールとも対戦。ケールには3RTKO負けを喫しているが、この試合に勝ったケールがベスタティのタイトルに挑戦したことを考えると、タイトル戦線にいたと言える選手だ。しかもハンバリアンも身長185㎝というベスタティと同じ長身ファイターで、海人にとっては仮想ベスタティになる相手でもある。

海人はハンバリアン戦に向けて「ベスタティにリベンジしてGLORYのベルトを自分の腰に巻く。その挑戦権を得るための戦いで、ここで苦戦しているようでは、ベスタティとやってもまた負けると思われてしまうので、レベルの差を見せて勝つ」と断言。「正直、ハンバリアンじゃ相手にならない。GLORYの選手はベスタティ以外は僕のレベルじゃないと思います」とベスタティまで圧倒的な強さで突き進むつもりだ。

この宣言通りに海人がハンバリアンをクリアしたとしても、緒形代表が「さらにGLORYの上位の選手と試合を組み、ベスタティが持つタイトルにチャレンジしていけるように話を進めたい」というように、更なる強豪が海人の前に立ちはだかることになる。もちろんここでハンバリアンに負けるようなことがあれば、GLORY王座への道は遠ざかる。海人は己が目指す世界最強に向けて、茨の道を歩み出す。

海人以外にも今大会では再始動がテーマの選手たちが並んだ。

3月のRISE両国大会でプロ初黒星を喫した山田虎矢太がホームリングで再始動し、KNOCKOUTからの刺客・森岡悠樹を迎え撃つ。しかもこの試合は森岡の要求を山田が承諾する形で、OFGマッチに急遽変更となった。虎矢太にとって強烈な右ストレートを持つ森岡とOFGマッチで戦うことはリスクがある一方、OFGに挑戦するきっかけにもなる。虎矢太は復活の勝利とOFGでの新たな可能性を掴めるか。

都木航佑は今回からスーパーウェルター級に階級を上げ、所属ジムもSB協会に加盟し“シュートボクサー”としての再始動。タイのヨークディーゼル・ルーチヤァオメーサイトンを相手に自身初のVSムエタイに挑む。都木は現在SB日本スーパーウェルター級1位にランクされており、年内に計画されている現在空位のSB日本スーパーウェルター級王座決定戦に最も近い存在。ヨークディーゼルをクリアして、日本王座に前進したいところだ。

またイラン出身のキックボクサーで、以前からSBへの出場を熱望していたアリは“アリ・ザ・シーザー”(Ali The Caesar)として待望のSB初参戦。今後は笠原友希が保持するSB日本スーパーフェザー級王座を目指して、SBを主戦場に戦っていくことになる。逆輸入シュートボクサーとして再始動するアリのパフォーマンスにも注目だ。

それぞれが、それぞれの道で再始動する今大会。この日の後楽園からSBの新たな景色が見えてくることになりそうだ。


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