8.17 GLORY王座への道・第2関門、海人が目指す圧勝。笠原友希は過去最強の相手=ムエタイ4階級王者と激突
8月17日(土)東京・後楽園ホールで開催される『SHOOT BOXING 2024 act.4』に向けた[特別コラム]を公開いたします。
「ベスタティ選手をビビらせるような勝ち方を意識しています」(海人)
4月大会でペットモラコット・ペッティンディーアカデミーへのリベンジを果たし、SB世界スーパーウェルター級王者のベルトを防衛した海人は、次なる目標として“世界最大のキックボクシング団体”GLORYのベルトに照準を定めた。海人は2023年8月にオランダに渡り、テイジャニ・ベスタティが保持するGLORYライト級(70kg)王座に挑戦するも敗戦。海人にとってGLORYのベルト、そしてそれを保持するベスタティにリベンジすることは、格闘家人生において避けて通れないものだ。
現在、ベスタティはGLORYライト級のベルトを保持したまま、一階級上のウェルター級にチャレンジしている状況で(それに伴いGLORYのランキングも一旦休止)、SB協会・緒形健一代表は「これからは海人がベスタティが持っているタイトルにつながる試合を組んでいきたい」と、協会として海人の想いを後押しすることを明言した。
GLORY王座への道を歩み始めた海人にとって第一関門となったのが、6月後楽園大会での元GLORYライト級9位のアルマン・ハンバリアン戦だ。185㎝の長身を誇るハンバリアンを相手に、海人は力強さが増したスピーディなコンビネーションで翻弄。最後は左フック一発でハンバリアンをマットに沈め、会心の勝利を収めた。
そして今大会で海人に送り込まれた次なる刺客はハンバリアンよりも上位ランカー=元GLORYライト級6位のドラゴミール・ペトロフだ。GLORYだけでなくブルガリアの格闘技イベントSENSHIの-70kg王座も保持するペトロフは、前に出る馬力と回転の速いパンチを武器とする”拳獣”。過去には、今年5月にジョルジオ・ペトロシアンと判定までもつれる接戦を演じたセルジオ・サンチェスを左フック一発で失神KOしており、その拳は危険そのものだ。
しかし海人は「外国人選手らしくインファイトを仕掛けるタイプだと思っていますが、それ以外で印象に残るようなものは正直、何一つないです」とペトロフを一刀両断。「今僕はベスタティ選手への挑戦権を得るために1つずつ用意された相手をクリアーしているだけで、ベスタティ選手へのリベンジに目標を掲げている中、ベスタティ選手をビビらせるような勝ち方を意識しています」とペトロフ戦はベスタティへの挑戦につながるデモンストレーションだと言い切る。
海人がGLORY王座に辿り着くには用意された相手に勝ち続ける以外に道はない。また海人自身が言うように内容とインパクトを伴う勝ち方も必要だ。前回のハンバリアンとは異なるタイプのペトロフだからこそ、海人には6月のハンバリアン戦とは違う強さ・勝ち方が求められる戦いだ。
GLORY、そして世界最強に向けて突き進む海人の背中を追うように、笠原友希も強豪外国人を迎え撃つ。笠原に立ちはだかるのはONEキックボクシングフェザー級暫定世界王者スーパーボンの推薦選手にして、ルンピニースタジアムで4階級制覇を成し遂げているペットモラコットだ。(※海人と対戦したペットモラコットとは別人)
過去最強とも言える相手との戦いを前に、笠原は海人のいるTEAM F.O.Dに出向いて武者修行を敢行。SBのエースとして戦い続ける海人からムエタイ対策はもちろん、世界と戦う心構えも学んだ。笠原が海人と共にSBを牽引する存在になるためにも、SBの歴代エースたちがそうであったように、ペットモラコットのようなムエタイの強豪は乗り越えなければならない壁だ。
またフェザー級の若き実力者・魁斗が約2年ぶりにSB帰還を果たし、RISEのハードヒッター平野凌我と対戦。海人と同じスーパーウェルター級では3連勝中の都木航佑がMMA団体Grachanからの侵略者ロクク・ダリを迎え撃つ。どちらの試合も今後のSBの日本タイトルの行方を占う意味でも重要な戦いと言えるだろう。
現在のSBは海人という絶対的なエースが存在し、その下には笠原兄弟や山田ツインズを筆頭に次期エース候補たちがひしめき合っている。2025年のSB創立40周年に向けて、誰が次期エース候補争いから頭ひとつ抜け出るか。その切磋琢磨がSBという団体を底上げし、さらなる発展につながっていくはずだ。