12.26 “ムエタイ界の至宝”吉成名高がOFGで電撃参戦「自分にしか見せられない試合を見せる」
2024年12月26日(木)TOKYO DOME CITY HALLで開催される『-SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT-GROUND ZERO TOKYO 2024』の記者会見が行われた。
後楽園ホールを中心に開催している通常のSBの公式戦とは異なり、様々なルールの試合が組まれ、公式戦に出ることがない選手が一堂に介するSBのビッグマッチ「GROUND ZERO」(グラウンド・ゼロ)が2019年12月以来、5年ぶりに開催される。今大会では通常のSBルールに加え、RIZIN MMAルール、RISEルール、KNOCK OUT-BLACKルールの試合も組まれており、“格闘技の祭典”ともいえるラインナップとなっている。
この日の会見では追加対戦カードとして、ラジャダムナンスタジアム3階級制覇王者・吉成名高(エイワスポーツジム)がオープンフィンガーグローブ(OFG)着用のスーパーフライ級(-52.16kg)のムエタイルールで電撃参戦することが発表された。対戦相手はバックチョー・シックンナ(タイ)。
名高は昨年7月にラジャダムナンスタジアム認定フライ級王座を獲得し、外国人として史上初のラジャダムナンスタジアム2階級制覇王者に。その後も快進撃を続け、8月には、タイ・ラジャダムナンスタジアムにて開催された『ラジャダムナン・ワールドシリーズ(RWS)』のメインイベントで同スタジアム認定フライ級タイトル初防衛戦を行い4R KO勝ち、12月のRWSではラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級暫定王座決定戦で勝利し3階級制覇。今年2月には正規王者プレーオプラーオ・ペップラオファーとの統一戦にも勝利し、正規王者に。7月のジョムホートとのラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級タイトルマッチでも圧倒的な差を付けて勝利、2度目の防衛に成功。
9月のWBCムエタイ ダイヤモンド スーパーフライ級王者決定戦では、プレーオプラーオに勝利しているペットアヌワット・ノーアヌワットジムを2RKOで葬り、10月にはクンクメールとの対抗戦で3RKO。前戦となった12月1日のRWSではペットヌンに圧倒する判定勝利で3度目の防衛に成功を果たし、現在驚異の34連勝を誇る。
ムエタイ界の超トップスター選手のSB初参戦が決定し、会見に出席したシーザー武志会長は「ぜひウチの大会に出て欲しいとずっと話をしていた中で今回参戦が実現して嬉しく思っています。今まではムエタイでグローブでやってきていますが、今回は初めてOFGでやってくれるとのことでワクワクしている気持ちです。ぜひいい試合を見せてください」と名高に期待を込める。
名高は「今回出場させていただくことがと決まりました。12月1日にラジャダムナンスタジアムのスーパーフライ級王座の防衛戦を行って判定で勝つことが出来ましたが、自分の中で正直その試合が今年ラストだと思って判定で勝ちましたが、試合が終わった時にSBさんからオファーが来ていることを聞きました。『GROUND ZERO』が5年ぶり開催ということもあるし、格闘技の祭典と言われているので、微力ですが自分も協力できればと思って参加させていただきました。
自分はプロで70戦弱ぐらい試合をやってきましたが、それは普通のグローブでしたが、今回はOFGでムエタイの試合をやらせてもらえるとのことで、正直なところ、どういう展開になるのかワクワクしています。自分のファイトスタイルはOFGでも活きるスタイルだと思っているので、どういうパフォーマンスが出来るのかが自分自身も楽しみです。今回はいろいろなルールの試合が行われるとのことで、たくさんルールがある中で自分にしか見せられない試合を見せて、観ているお客さんに楽しんでもらえる試合をしたいと思います」とあいさつ。
初のOFG着用に関して名高は「12月の防衛戦までずっと普通のグローブで練習していたんですけれど、練習を再開した初日から急ピッチでOFGを着けて練習しています。案外、自分の拳を痛めなさそうだし、意外とやれるんじゃないかなと。甘くないとは思うんですけど、2週間くらいずっとOFGで練習しています。だいぶパンチを打つ感覚は少しずつつかんできた感覚はあります」と問題ないという。
通常のグローブよりも小さくて軽いOFGを着用することでハンドスピードが上がるのでは? との問いには「軽くなったぶん、絶対にハンドスピードは上がりますが、ガードをしていても相手のパンチが抜けて来ることもあるので、距離で外すこととか対策は考えています。OFGでも自分の攻撃だけを当てるスタイルを貫けば、もっとスピーディーな展開の試合が見せられると思います」と試合が楽しみな様子。
対戦するバックチョーについては「スックパランマイという純ムエタイの興行に出ている選手で、映像を見たところ背が高くてミドルを蹴って、近くではヒジを合わせるスタイルでした。スピードに関しては僕の方が一枚も二枚も上手だと思うので、上背がある選手ですが出入りのスピードでカバーして、自分のスタイルを貫けば勝てる相手だと思いました」といい、「自分は蹴りが一番の武器だと思っているので、自分の蹴りのスピードで会場が沸くような、蹴りひとつでも会場が沸くようなキレのあるスピーディーな試合をしたいと思います。年末の試合だし盛り上げたい気持ちがあるのでKOはもちろん狙っていきます」とKOを予告した。
シーザー武志会長はこれまでの名高の偉業を耳にし、「我々の時代はムエタイのランキングに入ることさえなかなかできなかったこと。タイでは軽い階級の方が層が厚く、そういう階級でベルトを獲っているのは考えられない。それはジムの方々、トレーナーの協力があってのことだと思うけれども、本人がそれだけの運動神経を持ってないと、ここまで来れません。そんな素晴らしい選手がこの大会に参加してくれることが、自分としては嬉しい」と名高を絶賛した。
<追加対戦カード>
▼OFGムエタイルール 3分3R
吉成名高(エイワスポーツジム/WBCムエタイ ダイヤモンドスーパーフライ級王者、ラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王者)
vs
バックチョー・シックンナ(タイ)