12.26 海人「倒すことは絶対条件であり、倒す倒さないで今後も変わってくる」
2024年12月26日(木)東京・TDCホールで開催される『-SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT-GROUND ZERO TOKYO 2024』のメインイベントでGLORY世界ライト級3位ゲリック・ビレット(フランス)と対戦するSB世界スーパーウェルター級王者・海人(TEAM F.O.D)。上位ランキングの選手を迎えることになった海人は来年予定されているベスタティとのタイトルマッチに向けてどのような試合を見せるか。
――5年ぶりの『GROUND ZERO』開催が決定し、海人選手は2017年の大会ではSB日本スーパーライト級王座決定トーナメントで優勝、2019年の大会では“ブラックパンサー”ベイノア選手に判定勝ち。ご自身にとってはどういう思い出のある大会ですか。
海人 S-cupと同じく『GROUND ZERO』はSBの特別な大会なので、いつもの試合以上に気合は入りますし、僕は今トップでやらせてもらっていて、『GROUND ZERO』に僕が出る結果によってまた全てが変わってくると思うし、そういうところの責任感もいつもよりは全然変わってくる大会だと思っています。
――アマチュア時代やプロデビューして数戦の頃は、SBのビッグマッチで試合することに憧れていたこともありましたか?
海人 そうですね。やっぱり大きな会場で試合する気持ち良さ、見てくれるお客さんが増える嬉しさとかももちろんありますし、大きな大会で大きな会場で試合することは格闘家一人としては意味があることかなと思います。でも、大きな会場だと控え室から会場まで遠かったり、入場が長いじゃないですか。お兄ちゃんもお父さんも僕の後ろに付いて歩かないといけないないので嫌がってますけど(苦笑)。
――東京ドームシティホールは、観戦しやすい会場だけに、リングに立つと観客からすごく見られている感もありますか。
海人 後楽園ホールとは違う会場の雰囲気、広さがあって、その分お客さんも多くなります。僕は色んな大きな会場で試合をしてきましたけど、東京ドームシティホールは思っているよりもお客さんとの距離が近かったりするのでいい会場だと思います。
――今回の試合に関しては、対戦を予定していた元GLORYライド級1位のエンリコ・ケール選手が欠場になったということで、最初にそれを聞いた時はどういう心境でしたか。
海人 僕のやりたかったタイミングなのでケールには関係ないですけど、せっかく年末のビッグマッチといういい舞台ですし、今年の締めくくりとしてGLORYのランキング1位を倒して来年にベスタティにリベンジするストーリーを僕は描いていたので、ケール選手が出場できないのを聞いて悔しい気持ちになりましたね。
――ケール選手との試合ができずモチベーションが下がることはなかったですか。
海人 対戦相手がケールではなくなった時、僕は誰と試合をしたらいいんやろうとか、そういう迷いはありましたけど、モチベーション自体はずっと保たれていました。
――そして当初対戦予定だったモハメド・ブタザ選手からGLORY世界ライト級3位のゲリック・ビレット選手に急遽、相手が変わりましたけど、最初聞いた時どういった心境でしたか。
海人 もともと決まっていた相手とやりたかったという気持ちはあるので残念だなと思いましたが、怪我したということなので仕方ないと思うし、次に決まったビレットも強いので、気持ちをしっかり切り替えて準備しないとあかんなと思っています。
――1位のケール選手との対戦を意識している中で、3位の今回の選手はいつか対戦するんじゃないかと意識はしてました?
海人 ケールとやれれば別に3位とはやる必要はないかなと思っていたのですが、3位が来たので、結局は一人ずつ倒していかなあかんのやなという感じですね。
――過去に勝利していて現在2位のストーヤン・コプリヴレンスキー選手も意識はしてますか?
海人 ストーヤンには勝ちましたが、はっきり決着は付いてないと思ってるので、そこも白黒はっきりつけたいというのも含めて、いつかはやりたいとは思っています。
――今回の相手に関してはどういった印象がありますか。
海人 インファイトだなと。前回10月に戦ったキリアっぽい戦いをしてくる印象があります。
――前回対策としてやってきたことがそのまま活きてきますか?
海人 前回やってきたこともあるし、今回もいろいろ試したいことがあるので、それをやりつつ、倒すことが一番だと思っているので、そこを設定してやっていきたいなと思っています。
――前回キリア戦でやれなかったことがあるとも言われてましたけど、今回キリア戦の延長戦という感覚もありますか。
海人 そうですね。タイプは似ているのですが、身長がちょっと高いのでそこにアジャストしていき、僕がやりたいことをやっていこうかなと思っています。
――相手が変わって大幅に対策、練習は変わったりはするのでしょうか。
海人 タイプが全然違うのでガラッと対策を変えたというか、やりたいことが全然変わってきたので、そこは切り替えて練習しています。
――ブタザ選手とビレット選手では、レベルとしてはどちらの方を評価していたんですか。
海人 どっちが強いとはあんまり比較してなかったんですけど、最初に決まっていたブタザはベスタティ選手に似てる部分があったので、そういう意味でいい経験にもなるし試したいことも試してベスタティ戦に繋げていけると思っていたでで、そういう意味でやりたかったなと思っていたんですけど、かなり強いとは特に思ってなかったし、今回のビレットに関しても、めっちゃ強いなとか、そういう感じではないので、ベスタティ戦につなげるための戦いだと思っています。
――今回の試合ではどういった勝ち方をイメージしていますか。
海人 自分のやりたいことはしっかりやりつつ、今回はいろんなルールの試合があっていろんな団体から選手が集める大きな大会なんで、そこでSBのトップでやっている僕が見せなあかんことは、倒すことだけだと思うので、そこは徹底していろんなことやりつつ倒していきたいと思います。
――階級は違いますけど、吉成名高選手の参戦も発表されました。
海人 この前試合したばかりなので、なぜこのタイミングでSBのリングに出てくれたのかなと気になりましたが、初めて一緒の大会で試合するので、そういうところでも選手一人一人ライバルだと思っているので。吉成選手より印象に残る試合をSBの大会なのでそれは絶対しないといけないと思います。
――階級は大幅に違いますが、あそこまで強い選手がいると同じ階級だったらやってみたかったですか?
海人 ヒジありのムエタイルールであれば、日本人で吉成選手が階級を抜きにして考えたら一番強いと思うので、そういう意味で同じ70kgの選手であればやりたいと思う選手だと思いますね。
――ベスタティ選手との再戦に関して、緒形健一代表は記者会見で「来年の夏ぐらいまでにオランダで調整をしています」とのことでしたが、そこに向けては定期的に試合を行っていきたいですか。
海人 そうですね。再戦が仮に8月だとするとそこまで試合をせずにタイトルマッチに集中するというのは難しく、僕としてはどんどん試合をしたいです。その間に試合をしていないと、やっぱり身体が鈍ってしまう部分はどんな選手にもあると思います。やらせてもらえるならSBの2025年の年間スケジュール通り、2月、4月、6月とやっていき、途中に他団体でもいい相手であればやっていきたいですね。その中で、強い選手だなと思った相手がいるのであればSBが良ければ僕はどこの団体でも出て行きますし、強い選手だなと思った相手であればどこの団体でも出て行きますし、夏までにはベスタティ戦をやらせてもらいたいと思います。来年2月にエンリコ戦ができるのであれば、そこで潰してしまうこともありかなと思うし、試合をすることでも僕自身の強さをもっと上げていきたいと思います。
――ベスタティ選手へのリベンジ戦に向けて着実に話が進んでいるということで、さらにモチベーションも上がりますね。
海人 そうですね。今年はリベンジ戦に向けてのランカーを潰していった中でも明確に再戦の時期が決まっていなかった状態で戦い続けてきてきました。来年の夏頃とややぼやっとはしてますけど、ただそこをGLORYとSB、U-NEXTさんも交えて、もう確約していただき、来年にはやらせようという流れができました。あの悔しい敗戦からちょうど2年後なので、いい形でリベンジするイメージを作っていけたらなと思っています。
――次の試合に向けてはどういった調整をしていく予定ですか。
海人 勝つための調整だけですよね。来年のベスタティ戦があるからといって、ここ負けてるよういなことがあればベスタティ戦をやる価値がなくなってしまうので、GLORYに対してもビレットにこういう勝ち方をしてしまうのかと思ってほしいし、そういう意味でもいい勝ち方をしていかないとダメなので、そこにこだわった練習をしていきたいなと思っています。
――ずっと取り組んでいるフィジカルトレーニングの方も成果を感じていますか。
海人 そうですね。いろんなトレーニングを重ねていってできるようになったこともあるし、まだちょっと苦戦する部分もあったりして、成長や自分が今どのレベルかというのも感じられるようにトレーナーには見てもらっています。試合に出るたびに、良い部分、悪かった部分もまたトレーナーに見てもらって、強化していく部分も変わったりするので、フィジカル面に関しては良い練習ができていると思います。
――去年8月にベスタティ戦で負けた時の自分から成長している部分も感じていますか。
海人 ずっと見ている方には分かると思いますが、明らかに以前とは違いますよね(笑)。今年2月に負けたペットモラコット戦以外は、いつ倒してもいいなと自分に余裕がある段階でKOができています。それが6月のアルマン・ハンバリアン戦ではしっかりして2RTKO勝ちできたし、8月のドラゴミール・ペトロフ戦に関してはすっきりしない終わり方でしたけど2RTKO勝ちでした。10月のキリア戦に関してもKOしようと思ったら、できたなとは思います。ちょっと自分的にいろいろ試したいことをやりすぎた結果、判定になってしまっただけなので、いつでもKOできたとは思っています。今回、12月に関しては、ビッグマッチなので、その試したいことをなくしてでもしっかり倒すというのをメインに考え、倒すことを優先にしてやっていきたいなと。倒すことは絶対条件であり、倒す倒さないで今後も変わってくると思うので、しっかり見せていきたいなと思います。
――では最後に試合を楽しみにしているファンにメッセージを。
海人 今回相手が変わっても見せることは変わらないので、しっかり倒して皆さんの期待を超えるような試合をするので期待してほしいと思います。
▼第13試合 70.0kg契約
エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R
海人(TEAM F.O.D/SB世界スーパーウェルター級王者)
vs
ゲリック・ビレット
(フランス/WAKO世界ミドル級チャンピオン/GLORYライト級3位)