12.26 GROUND ZEROはシュートボクシングの過去・現在・未来をつなぐ“格闘技の祭典”だ!
12月26日(木)東京・TDCホールで開催される『-SHOOT BOXING BATTLE SUMMIT-GROUND ZERO TOKYO 2024』に向けた[特別コラム]を公開いたします。
シュートボクシング(SB)のビッグマッチ「GROUND ZERO」(グラウンド・ゼロ)が2025年=40周年イヤーを前に5年ぶりに復活。通常の公式戦では見られない豪華カードが並び、ビッグマッチならではの盛り上がりを見せている。
GROUND ZEROは1996年に横浜文化体育館で第一回大会が開催され、当時SBのエースだった村浜武洋VSムエタイ9冠王のチャモアペットをはじめ、総合格闘技、極真空手、大道塾、プロレスラーとシュートボクサーによる異種格闘技戦など、団体・競技の垣根を超えた試合が実現した大会となった。1998年の第2回大会は日本武道館で開催され、当時存在したキックボクシング5団体の選手が一同に集結し、若き日の魔裟斗が第1試合に出場。日本VSムエタイの対抗戦が組まれ、現SB協会・緒形健一代表がラモン・デッカーと拳を交えている。
GROUND ZEROはSBによる“格闘技の祭典”として行われてきたビッグマッチだった。約5年ぶり8度目の開催となった今回のGROUND ZEROは、本来の大会コンセプトに立ち返り、様々な団体から選手が参戦し、SB以外のルールの試合も組まれた“格闘技の祭典”と言えるラインナップとなっている。
オープニングファイトから第3試合まではSB×キック・ムエタイという図式の試合だ。第2試合では香港Energy Fightスーパーフェザー級王者でもある手塚翔太がHOOST CUP日本ライト級王者の成尾拓輝、第3試合ではSB日本女子アトム級王者MISAKIがNJKFミネルヴァピン級王者の撫子との対戦に臨み、前半からSB×キックの王者対決が続く。
第4試合から第7試合はGROUND ZEROの真骨頂とも言えるSB以外のルールの試合が並んだ。その先陣を切るのはSB日本バンタム級王者の佐藤執斗。2024年はONE Friday Fightsや韓国MAXFCなど海外を主戦場に戦ってきた佐藤がKNOCK OUT-BLACKルールでKNOCK OUT無敗の新星・柿﨑瑠と対戦する。
第5試合は立ち技の枠を飛び出し、RIZIN MMAルールとして白川ダーク陸斗とSB日本ウェルター級王者・奥山貴大が激突する。以前からMMAへのチャレンジを希望していた奥山がGROUND ZERO復活に合わせて満を持してのMMAデビュー。しかも対戦相手はRIZINを主戦場に戦う白川で、白川のGROUND ZERO参戦は大きな話題を呼んだ。MMAの実績では白川が圧倒的に上だが、奥山も10年の柔道歴があり「立ち技と柔道を融合させたMMAを見せる」と自信をのぞかせる。白川がキャリアの差を見せるか。それとも奥山がRENA・鈴木博昭に続いてMMAでも結果を残すか。
第6試合はSB日本スーパーフェザー級王者・笠原友希とRISEからの刺客・DEEP☆KICK-60kg王者のGUMPによるRISEルールの一戦だ。この試合はRISEで2025年に予定されている61.5kgトーナメントへ向けて笠原にオファーがあり、SB協会とRISEで協議した結果、GROUND ZEROにてRISEルールの試合として組まれた。GUMPは“ノーダメージ”が決め台詞のRISE屈指のタフガイ。友希にとってはRISEのトーナメントだけでなく、2025年の飛躍につながる試合にしたいところだ。
そして今大会最大のサプライズとなったのが、第7試合に登場する“ムエタイ界の至宝”吉成名高の電撃参戦だ。吉成はラジャダムナンスタジアム3階級制覇王者で、12月1日のRWS(ラジャダムナン・ワールドシリーズ)ではラジャダムナンスタジアム認定スーパーフライ級王座の3度目の防衛に成功。驚異の34連勝というレコードをひっさげて、GROUND ZEROのリングに立つ。しかもこの試合はOFGムエタイルールとして行われ、吉成がキャリア初のOFGルールに挑むことでも注目を集めている。まさにGROUND ZEROならではの予測不能な一戦だ。
第8試合から第10試合はSBルールで山田彪太朗・山田虎矢太・笠原弘希がムエタイファイターを迎え撃つ、SB×ムエタイの3対3対抗戦となった。山田ツインズ揃い踏みは前回10月の後楽園大会に続いて今年2度目、ツインズ揃ってムエタイ選手と戦うのは通算3度目となる。前回から虎矢太が階級を上げたことでフェザー級がSB屈指の激戦区となったが、フェザー級の更なる盛り上がりのためにも、山田ツインズでの勝利が求められる。
笠原弘希はONE Friday Fightsに参戦しているジャック・ジャックムエタイとヒジありのOFGマッチで対戦。今年2月のONE Friday Fightsで敗れている弘希にとっては、相手こそ違えど「ONEではヒジありで負けたので、ヒジありでやり返さないといけない」と、OFGでの戦いやムエタイ戦士に対して借りを返すための戦いでもある。今年は約8カ月間のブランクがあった弘希だけに、海人に続くSBのエース候補の一人としても内容・結果で存在感を示したい。
そしてGROUND ZEROを締めるメインイベントは海人VSゲリック・ビレットの一戦だ。今年ペットモラコット・ペッティンディーアカデミーとの2連戦を乗り越えた海人は、GLORYライト級王者テイジャニ・ベスタティへのリベンジを目標に掲げて、GLORYライト級のランカーでもあるアルマン・ハンバリアンとドラゴミール・ペトロフを問題なくクリア。10月大会では初代GLORYライト級王者のダビッド・キリアからも勝利を収めた。
GLORYのランキングでは3位ビレット、4位・海人となっており、海人にとって今回のビレット戦は数少ない上位ランカーとの対戦になる。海人とベスタティのリマッチは来年夏で調整が進んでおり、海人自身「ここで負けているようなことがあればベスタティ戦をやる価値がなくなってしまう。GLORYに対してもビレットにこういう勝ち方をしてしまうのかと思ってほしいし、そういう意味でもいい勝ち方をしていかないとダメ」と燃えている。
海人VSビレットからも分かる通り、今回のGROUND ZEROは来年の40周年イヤーを見据えたマッチメイクでもある。今回のGROUND ZEROは“格闘技の祭典”としてSBの過去と現在をつなぐ大会であり、40周年イヤーというSBの未来につながるビッグマッチだ。