SHOOT BOXING2011ヤングシーザー杯OSAKA -SB165- “ALPINISME vol.1”
2011年1月30日(日)大阪IMPホール
今年初となるプロ公式戦『ヤングシーザー杯OSAKA2011』が1月30日(日)大阪IMPホールで開催された。
毎度激戦が展開され有望な若手選手を続々と輩出している大阪ヤング杯も今回で7回目を迎える。毎回、若獅子たちによる熱気あふれる前半戦とトップランカー同士のハイレベルな後半戦に分けて行われるが、今回のメインイベントには地元大阪のSB日本スーパーフェザー級王者・及川知浩が登場。その他各階級のランキング戦など見どころあるカードが組まれた。
及川の対戦相手、韓国ムエタイ連盟王者チョイ・キムヒョクは端正な顔立ちをした18歳の若き実力者。序盤からスピードに乗ったパワフルなパンチとミドルキックを放ちポテンシャルの高さをうかがわせる。
尚も圧力をかけて前進しようとするチョイに対し、冷静に距離を見極めキレのあるローキックを返す及川。攻撃に合わせ的確なローキックを返されるチョイだが、効いてないとばかりに笑顔で自信の太ももを叩き逆にローキックを返し及川を下がらせる。
続く2ラウンド、同様の展開からパンチを振るうチョイに下がりながらの左ハイキックを放った及川が突然たたらを踏み、立っていられない状態となったところにチョイが走り込んでパンチのラッシュを掛けたところでダウンの宣告。再開するが、間もなくセコンドからタオルが投入され及川のTKO負けとなった。実は試合2週間前に左足の内側靭帯を損傷し歩行すら困難な状況になっており、当日は痛み止めの注射とテーピングを施しこの一戦に臨んでいた。及川は足を引きずりながら「メインイベントを任せていただいたので絶対キッチリ倒したると思ってたのに、情けないですわ…」と悔しい表情。
一方金星を挙げたチョイは「今日はラッキーな展開で勝ってしまったが、闘っていて手応えはあった。ベルトを獲るには次に誰と対戦すればいいですか?」と継続参戦を希望している。
現在空位となっているSB日本フェザー級の王座挑戦権をかけて行われた1位ナグランチューン・マーサM16と同級2位の崎村暁東のランキング戦。
開始のゴングと同時に猛然とマーサに襲い掛かり寄りパンチ、キックを畳みかける崎村。その勢いは打ち気にはやるあまりバッティングで注意を与えられるほど。以前、ファントム進也とSB日本スーパーバンタム級タイトルマッチの経験がある崎村は、徹底的に勝ちに徹した試合運びでペースを掴みにかかる。一瞬面食らったマーサだが、前蹴りや組みつきを利用し追撃は許さない。2ラウンド以降、崎村の前進にカウンターを合わせたいマーサだが、パンチの連打から不規則かつ的確に放たれる崎村の左ミドルと組みの強さで次第にスタミナを奪われていく。マーサも効果的なパンチをヒットはさせるが攻め続ける崎村を下がらせるには至らず、崎村優勢のまま迎えた最終5ラウンド。ポイントでリードしていることは重々承知の崎村だが、これまでのラウンド同様アグレッシブに前進しマーサを仕留めにかかる。再びコーナーに追い込まれたマーサが、首相撲から顔面に起死回生のヒザ蹴りを一閃。これがまともに顎を直撃し腰を落とす崎村に、マーサは残された力を振り絞りパンチの連打でダウンを奪う。フラフラと立ち上がる崎村だがダメージは明らか。マーサの追撃に2度目のダウンを喫したところで崎村のコーナーからタオルが投げ入れられ、マーサの逆転KO勝利となった。
そしてこの日SB日本ヘビー級の雄・伊賀弘治の引退試合が行われた。対するは元同門のハードパンチャーYABU。
序盤から両者ともにKOを狙った駆け引きなしのパンチの打ち合いを展開。両者一歩も引かない打撃戦を繰り広げ迎えた最終ラウンド。伊賀が「よっしゃ行くぞ!」と雄叫びをあげるとゴングと同時に両者はさらに激しいド突き合いをスタート。ラウンド中も声を発しながら殴り合い終了のゴングを迎えた。判定でYABUが勝利を収めたが、伊賀は最後まで一歩も引かずに打ち合ってくれた後輩YABUとのド突き合いに満足げな表情で、同じくこの日が引退試合となった木田なっくる将大とともにテンカウント・ゴングを聞いた。