シュートボクシング
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7.6 MMA再起戦のRENA「夏はめっぽう強い。日本の夏はRENAの夏!」

7月6日(金)東京・TDCホールで開催される女子格闘技の真夏の祭典『SHOOTBOXING Girls S-cup~48kg世界トーナメント2018~』でエレイン“パンテラ”リアル(ブラジル)とMMAルールで対戦するSB世界女子フライ級王者RENA(シーザージム)。RENAは昨年の大みそかのRIZINで浅倉カンナに敗れ、今回が再起戦。7月29日のRIZINでは浅倉との再戦も決まっており、7月は2連戦となる。
 
――7月にMMA二連戦が決まりましたが、後悔していませんか?
「まだ後悔の気持ちまでは行っていませんが、めちゃくちゃしんどいことをやろうとしちゃったなっていう気持ちですね」
 
――先のことを気にすることなく、まずは目の前の試合に集中していますか?
「もちろんです。先のことばかり考えると足元をすくわれてしまいますからね。格闘技ですからケガしてしまうかもしれませんし、でも負けることは一番避けたいので全力でぶつかって、二戦目のことを考えるのはその後です」
 
―― 練習では寝技を9割やられていると言われてましたが、いつぐらいから寝技に着手したのでしょう。
「MMAをやり始めてからずっとです。練習で2~3回ぐらいしかミットを叩かずに試合に出場したこともありますし、基本的にずっとグラップリングの練習ばかりやっています。私もプロ格闘家として11年間突っ走ってきて、現役の時間を考えるといかに短期間で日本のトップ、世界のトップと戦えるようになるかを考えたら自分に足りない部分をどんどん見つけて補っていかないといけません。打撃には絶対の自信がありますが、打撃だけ磨けば良い競技ではないのでそこは集中して感覚を確認する程度にしながら、とにかく自分のウィークポイントを強化しようと。そうやって今まで寝技:打撃=8:2や9:1の割合でやってきたのですが、極限のピンチに陥ったときは練習したことしか出ないので、トーナメント 決勝戦で(浅倉に)一本負けしたのは単純に自分の実力不足だったなと思います。結局、自然と身体が反応できるようになるまで徹底的に反復するしかないので、今はまた新たに寝技対策を徹底的にやっています」
 
――今まで寝技に自信がなかったと思いますが、今は自信ありますか?
「AACCは女子選手の出稽古が多く色んな選手と練習できますし、世界チャンピオン(=浜崎朱加)もいます。日本で活躍している選手からたまに一本を取れたりすることも増えてきたので、自信につながっています。凹んで帰る率は9割ですが、たまに喜んで帰る日も増えてきたのでそれも成長かなと」
 
――寝技に重きを置いているのは一本を獲ること? それともディフェンスですか?
「私みたいなインスピレーションタイプの選手の場合は、やられた方が短期間で身体が覚えて成長できるというのがAACC代表の阿部(博幸)さんのスタイルなんです。だから以前はやられてばっかりでしたが、最近はどういった技が来る、相手は何を狙っている、みたいなことが察知できるようになって色々な感覚が身体に染み付いてきた……かな?(笑)MMAはとにかく寝技で覚えることが凄く多くてまだまだわからないことばかりですが、防御はある程度ミスさえしなければ反応できるはずだし、そうすれば余裕がうまれて自分も攻めることができる。上をキープする部分も感覚的に身に付いているので少しずつ成長しているんじゃないかって自信にはなってます」
 
――その部分を次の試合で見せたいですか? それとも浅倉戦まで隠していたいですか。
「隠したいといえば隠したいです。でも相手が全然違うタイプなのでそこまで気にしていませんし、戦術を100%隠すなんて所詮無理ですからね。タックルをきちんと丁寧に丁寧に考えていれば問題ないと思っています。そんな簡単ではないことも分かっていますし、毎日想像の上を行くタックルと練習でもイメージでも向き合っています。まあ今回はタックル対策という面では全然参考にならない相手ですけどね(笑)。組み力と打撃力は(浅倉よりも)強い相手のような気がします。29日とは戦略も対策も異なるので今回の試合内容について思うところはないのですが、私の武器の怖さの半分は見せたいですね」
 
――S-cupなのでシュートボクサー的な試合を見せたいという気持ちはありますか?
「そこまで考えると切り替え出来ずに寝技の展開で一瞬戸惑ってしまうこともあるので、今回はSBの試合に関してはMIOをはじめトーナメント出場選手に任せて、逆にSBファンにMMAの面白さも見て欲しいと思っていますしMMAファンにはSBの面白さを知っていただきたいんです。私は私の仕事をするので皆んなでGirls S-cupを盛り上げよう!って感じです」
 
――5月6日に福岡で開催された『RIZIN.10』で浅倉選手が勝利を収めた直後、RENA選手がリングに上がり再戦をアピール。しかし、「浅倉に負けてから1試合もしていないRENAが挑戦するのはおかしい」「RENAは浅倉に完敗しているのになぜすぐに再戦なのか」といった批判がネット上でファンから巻き起こりました。あれは傷つきました?
「ん~傷ついたと言いますか驚きました。私自身も今年の年末ぐらいかな?と思っていた再選が紆余曲折あって7月に組まれることになり、福岡のリング上で私なりの仕事をしたつもりでしたがネットで叩かれました。でもお陰様で私のことを嫌いな人が女子格闘技に目を向けてくれるきっかけにもなりましたし、結果的にこの試合の注目度が上がったので良かったのかなと。ただ、今まで私がベビーフェイス的に応援いただけていたのだとしたら、それはここで他の選手にバトンタッチして、これからは女子格闘技が注目され続けるためにヒールだろうとなんだろうとやってやろうと思っています(笑)」
 
――アンチ的な声を賞賛の声に変えてみせると。
「そうですね。私は試合で表現することしか出来ないですから自分を賭けて本気で戦うだけです。試合した相手には感謝の気持ちしかないんです。格闘技は、生身の人間が一対一でお互いを痛めつけ合う単純で唯一無二の競技なので、勝っても負けても自分を成長させてくれます。私は挑戦している身なので、人生のこの一瞬にあるMMAへの挑戦の途中に浅倉カンナ選手がいてそこを乗り越えることが出来るか出来ないか。前回は自分の実力の一割も出させてもらえなかったので次は全てを出し切れるようにチャレンジするだけです」
 
――今回の試合でも次の試合に期待をもたせるような試合をしたいですか?
「私のMMA打撃は倒せる打撃です。対戦相手が打撃で勝負して来るなんて絶対にないと思いますし、フリでそんなことを言ってるわけでもないのですが、もう一回RENAの打撃の怖さを印象付けたいと思います」
 
――MMAのオープンフィンガーの方がボクシンググローブよりも薄いのでKO率は高くなりますよね。
「あははは! そう見えてしまいますよね。実は倒したり効かせるのはボクシンググローブの方が有利なんです。でも私の打撃がMMAに合っているのかKO率が高くなっているんです。RIZINとSBのGirls S-cupのリングの大きさが全然違うので試合をしてみないとわからない部分が正直ありますが、展開は自分でも予測不可能です」
 
――6月29日には、27歳になったばかりですが、何か改めて想うことはありますか?
「10代の頃は、27歳って触れちゃいけないぐらいの大人だと思っていたのですが、自分がその年になってみたら全然普通でした(笑)。心はまだ22歳ぐらいのに、気付いたら年をとってしまったなと……」
 
――格闘家としては成長していると思います?
「どこがゴールかはわかりませんが、少しずつは成長しているのかなと」
 
――最後に、RENA選手は夏が強いという伝説がありますが、今回も見せてくれますか。
「そうなんです。私はこれまでのGirls S-cupで証明してきましたが、夏はめっぽう強いので11年連続でそれを示せるように頑張って夏の後半もその力を前面に出していけたらいいですね」
 
――今年の夏もRENAの夏にすると。
「そうですね。毎年、日本の夏はRENAの夏なので。夏だけじゃ困りますけどね、アハハ!」
 
大会概要はこちら
https://shootboxing.org/news/fight/16118/


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