4.13 荒東”怪獣キラー”英貴「1日で僕の大ファンになってもらえると思う」
2024年4月13日(土)東京・後楽園ホールで開催される『SHOOT BOXING 2024 act.2』でSB日本ヘビー級3位・坂本優起(シーザージム)と対戦するGRACHAN無差別級王者・荒東”怪獣キラー”英貴(パンクラス大阪稲垣組)。MMAで10戦10勝無敗の荒東は、坂本戦に絶対の自信を見せており、SBのリングでどのようなインパクトを残すか。
――今回SB参戦の理由から教えてください。
荒東 SBさんとは勝手に縁を感じてまして、僕の打撃の師匠、吉鷹弘先生は元SB日本スーパーミドル級王者ですし、6年前ぐらいにタイで僕が飲食店の店長をやっていた時に、会社が格闘技の興行をしたいというのでRENAさんにタイのスタントマンの女性とエキシビションマッチをやっていただいたことがあるんです。その時に僕がイベントを仕切っていて、RENAさんご一向をパタヤに行くツアーも組んでアテンドさせてもらいました。その時はSBというものを知らなかったのですが、2年前ぐらいにSBさんからオファーもいただいてましたし、ちょっと僕に興味持っていただいてるんだなと。あと、格闘技の聖地、後楽園ホールで試合をしたいというのもあり、そういうご縁が重なって今回出場することにしました。
――吉鷹さんとはどういうご縁で指導を受けることになったんですか?
荒東 吉鷹先生のことを全く知らず、当時所属していたパラエストラ大阪代表の中村巧さんに「吉鷹さんのところで練習してこい」と言われて練習場に行ってみたら、みんなめちゃめちゃ吉鷹先生のことを尊敬していて『あの人すごい人なんやな』と思いながら練習してました。吉鷹先生の話、めちゃめちゃしていいですか?
――はい、大丈夫です(笑)。
荒東 吉鷹先生は僕と同じくもともと柔道をやられていて兵庫出身なんです。僕の大学時代の恩師のことを吉鷹先生が知ってらっしゃったこともあって、チーム吉鷹での練習では可愛がっていただきました。吉鷹先生は現役時代に身長の高い人とよくやり慣れていて、僕も身長の高い選手とやることが多く、一去年の初代GRACHAN無差別級王座決定トーナメントに出た時から吉鷹先生の言われたアドバイスがズバズバ当たっていき、決勝戦の時も「お前は右ローを蹴っとったら右のパンチが当たるから」と言われてその通りに動いたら、それで勝ちました。吉鷹先生の言うことを聞いたらどうにでもなると思え、完全に信頼しています。
――今回の坂本戦に向けてもバッチリな対策ができていると?
荒東 そうですね。坂本選手だからということでもなく、当たり前のことなんですけど、対策ミットをやっていただいてます。
――これがハマるといった技もありますか?
荒東 言い方は悪いのですが、坂本選手は大振りも大攻めもしないので隙はないと思うんですよね。でも「これをしてくるからお前はこうせなあかん」と言われることを試合でいっぱい重ねてき、気付いたら僕が勝ってるんじゃないですかね? ミスは少ない選手だと思うんですけど、いかんせん面白みはない選手ですよね。南原選手からダウンを取っていたけど、倒し切れないところがもったいないなと思ってました。そういう意味でも僕の方がいい試合をしてるかな、と思います。
――判定まで行きそうですか? それともKOで終わりそうですか?
荒東 判定まで行きたくないけど、行っちゃうんかなと思いながらも極める技をめちゃめちゃ用意してます。スタンドサブミッション行きまくったろうかなと。あまり見たことないのSBのスタイルになるんかなと思ってます。
――柔道経験者ということですが、やってきたことが活かせそうですか?
荒東 それは柔道技ではないですけど、僕の組みの師匠CARPE DIEM芦屋の岩崎正寛さんがいろいろ僕に指導してくれているので、それが決まったら面白いかなと。スタンドで腕を極めて、ウギャー言わせたろかなと思ってますけどね。バックドロップとかやりたいんですけど、関根シュレック秀樹選手が坂本選手にトライしててダメやったじゃないですか。僕の方がその能力は絶対低いと自信あるんで、やったら疲れるんやろうなと思います(笑)。
――柔道はどのくらいやられてたんですか?
荒東 中1から大学4年までやっていたので、10年間ですね。そこから2年くらい社会人になって、仕事が忙しかったのでちょろちょろやっていた感じです。成績は大したことはなく、一応、県大会優勝メンバーでしたが、大学の県大会なんて4校くらいしか出てません。全日本大会出場のレギュラーではないですけど、7人選抜で最終メンバーの12人選ばれるところまでは入っていました。
――なぜMMAをやろうと思われたんですか?
荒東 格闘技好きだったんでタイでムエタイをやり、タイにあった心技道場の秋山賢治代表に出会ってMMAのアマチュア大会で3戦しました。組み技をやったことのない、ちょっと太ったデブのタイ人選手しか出てないんで、そこで僕が無双して『このままやればMMAイケるんじゃね?』と思ってプロデビューしました。
――では今MMAで10戦10勝ですが、アマチュアを含めて無敗?
荒東 アマチュアのグランプリのしょうもない大会で1回負けだけでMMAでは負けなしですね。
――自身の負ける姿は想像できないですか?
荒東 僕は昨年10月のRIZINの貴賢神戦で負けそうになり、『こうやって負けんやな』と思いましたけどね(苦笑)。SNSでエラい叩かれましたけど、TKO負けしそうになりながらもそこからやり返した俺の方が凄いじゃん!? って思います。
――ちなみにタイで仕事をされていたということですが、タイ語も喋られるんですか?
荒東 地方のタイの選手だったら聞き取りづらいかもしれませんけど、ある程度は喋れます。
――では、今度のメインで海人選手と対戦するペットモラコット選手の通訳もやれそうですね。
荒東 やれないこともないですけど、ファイトマネーもいい金額出してくれてるんで頼まれたら通訳しますけど、僕がやったらややこしいことになるでしょ(笑)。大会当日も無傷やったら全然しますよ(笑)。
――荒東選手が負けたら“怪獣キラー”を取って荒東英貴の本名に戻るといったリングネームを懸けた一戦となりましたが、坂本選手が負けたらどういうリングネームにするのか考えてますか?
荒東 それも考えなあかんですよね。逆に僕の周りのみんなは僕の名前を考えてくれてます。「“足関10段”荒東になればええやん!」とか俺の名前で大喜利すんなよ、と思って(笑)。ありがたい話ですけどね。大会までにエグいのを考えています。
――ちなみに“怪獣キラー”はご自身で付けられたんですか?
荒東 タイでのプロデビュー戦でデカい相手が上向きでバタバタしてるところを僕が抑え込んで顔面にヒザ蹴りを打ちまくった時にお客さんから「怪獣キラー!」と言われ、2戦目の時の大会ポスターに“怪獣キラー”と書かれていたんです。ウルトラマンと言わないところがちょうどええなと(笑)。日本でのプロデビュー戦の時に、付けたら面白ないなと思って“怪獣キラー”を付けたのが始まりですね。
――今回勝ってSBのリングで目標にしていることはありますか?
荒東 僕はほんま後楽園ホールで試合をさせていただくことが目標なんです。言い方悪いけど、SBで勝ってもMMAの連勝記録にもならないじゃないですか。今、僕は日本人MMA無敗ランキングで3番目なんですよ。1番が平良達郎の15戦15勝、2位が伊澤星花の12戦12勝で、3位が僕なんです。平良選手は怪我しない選手だからポンポン試合するんですよね。組み技メインの選手やし、羨ましいな~と思って(笑)。それで今は9戦9勝の鶴屋怜が上がってきてるんですよ。あいつも怪我しないタイプ。俺はデカいし怪我するし、しかもSBの戦績は足されないし。でも、自分のファイターのキャリアとしてSBに上がるのはめちゃくちゃいい思い出になるし、試合に出る価値はあるなと。そこで間違いなく、4月13日に一番おもろい試合するのは僕かなと思ってます。
――現在SBのヘビー級のタイトルは空位ですけど、今後は狙ってますか?
荒東 坂本選手は会見で「これは非公式のタイトルマッチぐらい重要な一戦だと思っています」と言ってましたけど、前回坂本選手は負けてるし、これ王座決定戦になる? と思いながら聞いてました。実際そうなったらおもろいですけどね。王座付いてたんかーい! 名前懸けてたんちゃうんかーい! って(笑)。でも坂本選手に対しては、体力的にもフィジカル的にもメンタル的にも負ける要素がないかな。坂本選手はキャリアは長いので、そこの上手さはある程度あるとはいえ、そんな面白い試合する人ではないじゃないですか。今回は僕が相手なんで面白い試合にはなるんじゃないですかね。舐めてる気はないんでしっかり勝ちに行きます。派手に勝とうなんて思っていなく、地味に戦い、気づいたら「やっぱり荒東できるやん!」っていう感じにしようかなと思ってますね。みんな、1日で僕の大ファンになってもらえると思うんで、僕のしっかり勝ちに行く姿を見ていただいて、シュートボクシングファンの皆さんにも僕の名前を覚えていただけたらいいなと思っています。
▼SB日本ヘビー級 オープンフィンガーグローブマッチ
エキスパートクラス特別ルール3分3R延長無制限R
坂本優起(シーザージム/SB日本ヘビー級3位)
vs
荒東”怪獣キラー”英貴(パンクラス 大阪 稲垣組)
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