シュートボクシング

『SRS』が南三陸町にて 復興支援活動を実施

去る12月10日(土)シュートボクシング(以下SB)と修斗、そしてRISEの3団体合同による震災復興支援組織『SRS−For Japan−』は、宮城県南三陸町にある仮設住宅の一つにお邪魔してボランティア活動のお手伝いをさせていただきました。今回、お邪魔した南三陸町志津川にある『自然の家』仮設住宅は、入居者数250名ほどのコミュニティーでしたが、当日は小雪がチラつく寒空にも関わらず老若男女問わず多くの皆さんが集まってくださいました。

11月11日(金)に後楽園ホールで開催した合同イベント『SRS−For Japan−』で行なったトップファイター達によるオークションの売上金全額と、各団体で復興支援のために募っていた募金などを活用させていただき、食材や物資、その他備品を揃え、総勢40名にて現地入りしました。
 
被災地にてボランティア実施経験のあるSB緒形健一の陣頭指揮のもと、さっそく炊き出しや餅つきなどの準備を開始。その間、RISE伊藤隆代表は、吉本光志や小宮山工介ら選手たちと共に薪割りなど住居者の皆さんへのお手伝い。それを見ていた現地のお父さんたちは、「さすが、いつも鍛えている人たちだと薪を割るペースも早いね。また来週も来てよ」と笑顔で語っておりました。
 
住居者さんの集まりもはじめは少しずつでしたが、佐藤ルミナ、戸井田カツヤ、ナグランチューン・マーサ、鈴木博昭といった選手たちが一軒一軒のお宅に声をかけさせていただき、お年寄りや子供たちも次第に周囲の皆さんと共に顔を出し我々と交流を持ってくれるようになりました。
 
サステイン坂本一弘代表と宍戸大樹が調理と味付けを担当したちゃんこ鍋やバーベキューは大好評で、その場で召し上がっていただくだけではなく、「とっても美味しいから、いま町まで仕事に出かけているお父さんの分も分けていただいてもいいかしら」と喜んでくださる方々にお土産としても持ち帰っていただいて、準備して行った食材は全て居住者の皆さんに提供することができました。
 
また、少し早めのお正月として実施させていただいた餅つきでは、ファビアーノ・サイクロンや羅王丸といったヘビー級戦士が大活躍。何より餅つき歴40年という地元の老婦人の返し手の技術は素晴らしく、40kgあった餅米もあっという間につき上がりました。老婦人は「嫁入りしてから餅つきの仕方を仕込まれて毎年やってきたけど、今回の津波で臼も杵も全部流されてしまったんです。まさか今年中にお餅つきができると思ってもいなかったから、幸せよ」と、寂しさが込み上げておられたような表情をしながらも、笑顔いっぱいで語ってくれました。
 
つき上がったお餅は、現地のお母さんたちが、きな粉や餡子などで一つ一つ美味しく調理し、逆にボランティアでお邪魔している選手たちに振舞ってくださるなど、終始和気あいあいとしたムードでコミュニケーションを取り合うことができました。
 
最後は青空の下で、コスチューム姿となった吉本光志と小宮山工介によるエキシビジョンマッチ、そして同じく上半身裸となった宍戸大樹、ファビアーノ・サイクロンによるミット打ち、最後に佐藤ルミナと戸井田カツヤによる格闘技セミナーを実施し、集まって下さった皆さんからは大きな喝采をいただきました。「格闘技ってはじめて生で見た。凄いんだねえ。若い人のパワーもらって元気になった」、「あなたの足ひねったりするアレ凄いわねえ」、「若い男の人の裸を久しぶりに見たわ」と言って、喜んでくださった現地の皆さんの笑顔が、我々にとって何よりの宝となりました。
 
帰り支度を終えバスに乗り込む我々に「こうやって皆さんの思いを受け取ると、負けてないで頑張らなくちゃと思う。遠いところ本当に有難うございました」と言って涙を流しながら手を握ってくれたお母さんたちは、バスが見えなくなるまで寒空の中で手を振ってくれていました。
 
今回、現地入りした全員が津波の被害にあった地域を見て回りました。恐ろしいほどの津波のパワーに破壊された建物の土台と、高く積み上げられた瓦礫の山以外には何も無い、廃墟となったそこにあったはずの街の風景を目の前にして選手たちは皆、言葉を失っていました。見つからない言葉を探すより、その光景を目に焼き付けようとしていました。
 
今回我々が行なった復興支援活動は、数え切れない被災地に存在する一部地域のたった一箇所の仮設住宅であり、さらにそこで毎日を過ごされている被災者の皆さんにとってのたったの一日でしかありません。また翌日から、奪われた日常を思いながらの狭い仮設住宅での生活を続けていかねばならない被災者の方々が数多く存在しています。現地の様子が報道される機会が減るにつれ、人々の記憶からは次第に被災地の置かれている厳しい状況が忘れ去られつつあります。しかし現実には、お年寄りから小さな子供までがようやく小さな仮設住宅での生活をスタートしたばかりで、まだまだ普通の暮らしと呼ぶには厳しく辛い毎日を過ごしておられます。そういう方々に、少しでも生きる希望や夢を持っていただけるように手を差し伸べ続けることが、我々「SRS」が行うべき支援なのだとあらためて実感いたしました。
 
我々は実際に被災地へと足を運び、現地の人々の声に耳を傾けます。そして例え小さくともそれをニュースにして、被災地も被災者の生活も何も終結していないことを一人でも多くの人に伝え続けたいと思います。我々は、これからも格闘技ができることを考え、被災地への末長い支援を続けていきたいと思っております。
 
最後になりましたが、実際に我々と共に現地入りし活動協力をくださったINSPIRIT様、BEAMS様、Mobstyles様はじめ、義援金の寄付や物資の提供など今回の活動にご協力いただいた皆様に心より御礼申し上げます。今後も責任を持って震災復興支援を続けていきたいと思います。
 
《12.9SRS−For Japan−参加メンバー》
▼シュートボクシング
宍戸大樹(シーザージム)
ナグランチューン・マーサM16(及川道場)
鈴木博昭(ストライキングAres)
島田洸也(シーザー力道場)
石塚勇司(シーザージム)
▼修 斗
山内慎人(GUTSMAN修斗道場)
不死身夜天慶(シューティングジム横浜)
猿丸ジュンジ(シューティングジム横浜)
片岡誠人(リバーサルジム東京スタンドアウト)
木暮聡(リバーサルジム東京スタンドアウト)
戸井田カツヤ(和術慧舟會トイカツ道場)
佐藤ルミナ(roots)
平野仁(GRAAKA)
佐藤豪(パラエストラ福島)
齋藤曜(パラエストラ仙台)ほか
▼RISE
ファビアーノ・サイクロン(TARGET)
羅王丸(TARGET)
小宮山工介(北斗会館)
吉本光志(ヌンサヤームジム)ほか
<協力>
INSPIRIT/BEAMS/MOBSTYLES/らーめん俺の空/神田ハウス/森川医院/南洋アスピレーション/(株)協同/(株)リングシステムズ/東嘉/アルファ矯正歯科クリニック/グラップリングシュートボクサーズ/及川道場/Inspire-S/修斗中四国ジム・道場一同


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