6.22 魁斗「山田ツインズ対決には全く興味ないし、それをさせていたらダメ」

2025年6月22日(日)東京・後楽園ホールで開催される『SHOOT BOXING 2025 act.3』でSB日本スーパーバンタム級王者・山田虎矢太(シーザージム)と対戦するSB日本フェザー級2位・魁斗(立志會館)。前戦となった4月のアンゲロス・ヤクミス戦では完勝し、現在3連勝と勢いに乗っている“西の天才”が狙うは11月のS-cup世界トーナメント出場、そして制覇のみ。S-cup出場メンバー査定試合が決まり、実力者・虎矢太とどう戦うか。
――虎矢太選手とS-cup世界トーナメント出場権を懸けた査定試合が決まりました。最初にオファーを聞いた時の心境は?
魁斗 前回に続いて外国人選手とやるのかなと思っていたのですが、虎矢太選手は階級を上げて僕の下のランキングの内藤凌太選手に勝っているので近いうちに対戦もあり得るかなと思っていた選手でした。
――選手としてはどういった印象がありますか?
魁斗 強い選手だと思います。フェザー級に上げてから内藤選手に勝ってはいるんですけど、川上叶選手に負けているので、僕がここで負けたら一度負けている川上選手にも挑めないので、ここは負けられへんなという感じですね。
――虎矢太選手の前回の川上選手との試合を見て何か思ったことはありました?
魁斗 虎矢太選手はパワー系の選手で今までに倒してきた試合は多いんですけど、その分、攻撃がすごく荒かったり、隙もなるので、そこを川上選手に突かれて負けた印象を受けました。
――川上選手は虎矢太選手から2度ダウンを奪っていることで、次の戦いに向けて参考になったりは?
魁斗 僕はオーソドックスで川上選手はサスウポーなんですけど、軽く映像を見たぐらいで分析材料にはしてますけど、あくまで戦うのは自分なんで自分のやり方で攻略しようかなと思います。
――今年のS-cup世界トーナメントはご自身の階級で開催することが決まったことで、モチベーションはどうですか?
魁斗 小さい時からブアカーオ選手、アンディ・サワー選手、鈴木博昭選手がS-cup世界トーナメントで活躍されていて輝かしい舞台だったので、その価値を下げないようにフェザー級で開催して面白かったなと思ってもらえるように、選手みんなで盛り上げていけたらなと思います。
――そこに向けてサバイバル的な意味のカードということでプレッシャーは?
魁斗 トーナメントに向けた査定試合になりますが、僕はあくまで普段の試合も命を懸けていると言ったら大袈裟に聞こえるかもしれないですけど、負けたら死ぬくらいの覚悟を持ってやっているので絶対に勝つし、普段とは変わらないです。
――負けたら死ぬくらいの覚悟で臨んでいるということですが、もしかして遺書を書いたりもしてるんですか?
魁斗 そうですね。節目の試合の時に書いています。それぐらい僕は試合に懸けています。
――リング上でも死んでもいいぐらいの覚悟も?
魁斗 それぐらいの覚悟でもやっています。お父さん(=坂口立起:2001年に宍戸大樹と日本ウェルター級王座決定戦を行ったことがあり、現在は立志會館の館長)からそういう教えで育てられていて、これがもし戦国時代だったら負け=死なので、負けたら死ぬんやという気持ちで試合に挑んでます。今の選手でここまでの覚悟を持った選手はなかなかいないんじゃないでしょうか。僕はそういう中でも、倒すことが目標なので、勝つだけじゃなくて、試合で格闘技に懸けている生き様とプライドを見せたいですね。シュートボクシングはシーザージムの選手に注目されがちなので、そこでも負けたくないです。
――立起館長から続いているシーザージムとの戦いでもあるわけですね。昨年6月のONE Friday Fightsでの試合がそうでしたが、魁斗選手は相手が強敵だったら、いつも以上にアグレッシブでご自身の良さも引き出すような試合を見せていましたが、今回の試合は自分のそういう良さを引き出させそうな相手だと思いますか?
魁斗 確かに試合を振り返ってみると、自分でも強い相手の方が自分の良さが出ている気がするんですけど、相手の強さは関係なく、自分の良さは自分で引き出すのがベストかなと思うので、そこも今回の試合でできたらなと思います。
――強い相手だと試合中も楽しいですか?
魁斗 もちろん楽しいですけど、苦しい時間もあるし、強い相手だとなかなか自分のやりたいことができず上手くいかないので、自分の思い通りにいかないのを、攻略できたりした時に自分のやっていたことは間違っていなかったなと思えるので、そう思えるようにしたいですね。
――次の試合に向けて勝ち方もイメージできていますか?
魁斗 虎矢太選手との対戦が決まったばかりなのでまだイメージはできていませんが、難しい相手でもないと思っているので、試合まで頭と体をしっかり鍛えて臨みたいと思います。
――以前は出稽古先で山口兄弟とバチバチなスパーリングをやっていましたが、今も変わらず?
魁斗 そうですね。兄の裕人君にいじめられています(苦笑)。殴られる一方で僕が倒すことはないですけど、自分が打ち合いの展開にいきたくなくても持ち込まれることもあり、自分の足りないところを補ってもらえる練習になるので、めちゃくちゃ強くなっていると思います。
――魁斗選手が倒されるイメージがないのですが、倒されることもあるんですか?
魁斗 そこで海人君には倒されました(苦笑)。今まで練習で手も足も出ない感覚はなかったんですけど、海人君とやった時に初めてそういう経験をして悔しいという感覚よりも、一周回って清々しい気持ちになりました(笑)。階級が違うと言い訳できないくらい海人君は強く、やはり海人君とやることでもっと吸収できるところはいっぱいあると思っています。
――S-cup世界トーナメントは山田彪太朗選手が開催を呼び掛けて、決勝戦で山田ツインズ対決を期待しているファンもいますが、そういうストーリーに関して思うことはありますか?
魁斗 正直なところ、山田ツインズ対決には全く興味ないですし、その対決を望んでいる人はいるかもしれないですけど、僕ら選手としてはそれをさせていたらダメだと思います。世界トーナメントなので、シーザージムの選手が二人も出たり、日本を代表する選手が出るべきなので、日本人選手はいっぱいいらないと思います。特に虎矢太選手はフェザー級でまだ3戦しかしておらず実績もなく、僕はフェザー級でやってきたことにプライドがあるので、トーナメントに出させてはダメやと思っています。
――日本を代表する選手が出るべきということで、11月のS-cupまでに彪太朗選手のSB日本フェザー級タイトルを獲って世界トーナメントに出たいという気持ちもありますか?
魁斗 彪太朗選手はタイトルマッチを終えたばかりで、またタイトル戦をやるのは現実的に難しいのかなと。S-cup世界トーナメントを取ったらもう世界チャンピオンになることになるので、日本タイトルはいいかなと思っています。
――S-cup世界トーナメントには他団体のチャンピオンが参戦する可能性も高いです。先日RISEフェザー級タイトル防衛に成功した安本晴翔選手は「SBの選手には負けていて借りを返さないといけないので(安本は植山征紀、魁斗、川上叶のシュートボクサー勢に全敗)、オファーがあれば出たい」と発言していますが、意識はしていますか?
魁斗 安本選手はトップクラスなので世界トーナメントに出てくれたら絶対に盛り上がる選手だと思います。僕は安本選手からダウンを取って逆転勝ちしたと世間に思われているので、どんな局面でも自分が勝っているという展開にはしたいですね。まずは次戦に集中しています。大会は全選手で盛り上げますが、僕はトーナメントに出場するために虎矢太選手を蹴落として、自分のプライドを見せつけて勝ちたいと思います。
▼57.5kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R
山田虎矢太(シーザージム/SB日本スーパーバンタム級王者)
vs
魁斗(立志會館/SB日本フェザー級2位、HOOST CUP日本フェザー級王者)
