シュートボクシング
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6.22 牧野騎士「師匠の原口健飛さんと戦い方が似ていると言われる」

 2025年6月22日(日)東京・後楽園ホールで開催される『SHOOT BOXING 2025 act.3』でSB日本フェザー級4位・植山征紀(ONE LIFE)と対戦するDEEP☆KICK -57.5kg王者・牧野騎士(FASCINATE FIGHT TEAM)。キャリアは12戦とまだ浅いが、10勝のうち8KOと高いKO率を誇る。師匠の第6代RISEライト級王者・原口健飛にも話を聞いた。SB初参戦でどのようなインパクトを残すか。

――3月にDEEP☆KICK-57.5kg級のタイトルを獲得し、今回SB初参戦が決まりました。最初にオファーが来た時の心境を教えてください。

牧野 僕は(原口)健飛さんに憧れていてRISEを主戦場にしていきたいと考えている中、SBからのオファーが来てビックリしましたね。SBルールだと投げられてしまうのかなと(苦笑)。全く想定していなかったリングでしたが、DEEP☆KICKのチャンピオンになってから試合間隔が空いてましたし、応援してくれている方々には僕が試合している姿しか見せられず、早く試合がしたい気持ちだったのでOKしました。

――SBでは投げ技、立ち関節技が認められていますが、そこに関して戸惑いはなかったですか?

牧野 もちろんSBルールでの試合だと、ちょっと練習しただけで適応できるとは思っていませんが、そういった技をもらう前に倒しちゃえばいいかなと。

――牧野選手のインスタを拝見したところ、投げ技の動画を投稿してましたよね。あの動画は今回の試合を意識して?

牧野 そうですね。見てくれた方が「もしかして牧野はシュートポイントを取れるんじゃない?」と思ってくれるかなと思って投稿したのですが、僕と後輩がただ単にじゃれているだけの動画になりました(笑)。

――SBという団体に対してはどのような印象を持っていましたか。

牧野 海人選手がRISEやGLORYに出たり、山田ツインズがRISEに出たりしているので、僕がプロになる前から会場で観ていた選手が所属している凄い団体なので、試合が楽しみになりました。

――今回の相手、植山征紀選手に関しては、選手としてはどのような印象がありますか。

牧野 ステータスがきっちりある選手だと思っていて、RISEの鈴木真彦選手との試合を見た時に『ヤバい選手だな』と感じていた選手と僕がやることになり、複雑な気持ちではあります。選手としては、トータル的に何でもできる印象があります。

――ご自身が植山選手が勝っていると感じる部分はどこですか?

牧野 山田虎矢太選手とのSB日本バンタム級タイトルマッチの試合映像を見たところ、5Rに血だらけになっても戦っていたので、めちゃくちゃ気持ちの強い選手だと思いますが、試合中に気持ちの入り方に関してだと、僕は負けてないかなと思います。

――牧野選手は10勝8KOとKO率が高いですが、そこは意識して戦っているのでしょうか。

牧野 KOしたいという気持ちで戦ってはいるのですが、狙っている技で倒してきたかというとそうでもなく、気付いたら相手が倒れていたという感じです。

――一番いい形の勝ち方ですね。そういう戦い方はやはりジム代表の原口健飛選手の影響を受けていることが大きいですか?

牧野 タイプ的には健飛さんみたいに綺麗に戦ったり、衝撃を与えるような倒し方ではなく、僕はガムシャラに戦うタイプなんです。健飛さんと戦い方が似ていると言われることもあり、嬉しいのですが、自分的にはまだまだやなと思っています。

――原口選手に憧れているということですが、大ファンでもあるんですよね? 原口選手のどういうところに魅かれたのでしょう?

牧野 健飛さんのことを何も知らずにジムに体験入門させてもらった時に、たくさんプロ選手がいたんですけど、『人ってこんなオーラがあるんやな!』と思えるぐらい健飛さんにはオーラがあって輝いていたんです。それから健飛さんってどんな人なんやろう? と思ってYouTubeで試合を見あさりましたね。体験入門した時、他の選手とスパーをしたらボコボコにされたんですけど、健飛さんだけは優しくて、強い人はこうなんやなと。一緒に練習したり、僕がプロになったりと深く関わっていくうちに、凄さをもっと知ることができて余計好きになりました。

――そんな憧れている原口選手の下で練習ができている環境をどう感じているんですか。

牧野 めちゃくちゃ幸せですし、いい環境ですね。健飛さんが試合で勝ったら自分ももちろんめちゃくちゃ嬉しいですし、逆に負けると、自分が負けた時ぐらいショックですし悲しいです。でもそんな気持ちになる人が近くにいるというのはなかなかないことだと思います。小さい時に仮面ライダーが敵に負けたら悲しくなっていた気持ちが未だに残っているということかなと。そう思える人が近くにいるだけで、僕は頑張れているので感謝しています。

――ヒーロー的な存在が近くにいる感覚なんですね。原口選手はジム代表だけに、牧野選手の試合結果によっては原口選手の名を汚してしまうこともあるかと思います。そこに関しての意識はありますか?

牧野 そうですね。めちゃくちゃそれは感じています。RISEに初めて出た時に負けて、自分だけでなくジムも負けたなと思ったし、健飛さんにはセコンドにも付いてもらっていたので、落ち込んだ気持ちになります。あと、追い込みや試合で3R目に入る時は、健飛さんのためにというか、健飛さんに勝っている姿を見せたいという気持ちでやっています。

――プレッシャーになるだけでなく、力にもなるとは思いますが、ご自身の性格的にどうですか?

牧野 もちろんプレッシャーになるんですけど、力になる部分がめちゃくちゃ大きいですね。

――今回のSB参戦に関してはジムだけでなくRISEを背負う部分もあると思いますが、ご自身としてはどういう気持ちで乗り込みますか?

牧野 そこに関してはリングに入るのは僕であって植山選手との1対1の戦いになるので、戦うだけですね。

――今年11月にはフェザー級でS-cup世界トーナメントが開催されます。このタイミングでSBに参戦することで、勝てばトーナメントに出るチャンスも巡ってくると思いますが、意識しますか?

牧野 ここで倒したからといってトーナメントに出られるのかなと思います。自分の中では、調子に乗っている時に結構負けてしまうので、トーナメントのことは関係なく、目の前の1試合に集中して戦っていきたいですね。

――S-cupに出られるなら出たいと思いますか? そこまでは意識してないですか?

牧野 そんなに今はそこまで考える余裕がないというか、考えてはいないですね。

――では、SBのリングで自分の存在感を示すことが大きいですか?

牧野 そうですね。SBでSBルールで戦って勝ったらカッコイイと思うので、カッコ良さを見せようかなと思います。ドロドロな試合で勝ってもSBファンは満足しないと思うので、ここで思い切ったKOで勝てれば、『あいつSBのリングに急に現れた存在やのに、ランキング4位の植山選手に勝ってヤバいやん!』と思われるじゃないですか。それが一番気持ちいいので、そういうのを狙っています。

――分かりました。では最後に意気込みをお願いします。

牧野 初めて参戦するリングですが、そういうことは関係なくリングに入れば牧野騎士を見せられると思うし、FFTの強さも見せられると思います。それを見せた上でしっかり勝ちます。

■原口健飛

――今回SBのリングに牧野選手を送り出す形になりましたが、原口選手から見て牧野選手の強みはどういうところにありますか?

原口 やはり倒し切る力ですね。それは格闘家に大事なことであって、試合でダウンを取られても一発があれば最後の最後まで『逆転できるんじゃないか』という気持ちでセコンドに付きながら一緒に戦えるので、そういうのは僕よりも持っているものじゃないかなと思いますね。良くも悪くもそこが特化している部分ではあるので、それをSBの試合でもいいし、これからの試合につないでくれればいいなと。今回の試合はもちろん倒すことが目標ではあるんですけど、勝てれば何でもいいと思っています。迫力やパワーに期待してほしいとは思いますね。

――原口選手から見て、SBとはどういうリングですか?

原口 立ち技の総合格闘技ですよね。SBでもいろんなルールがありますが、投げ技あり、立ち関節技あり、ヒジありがSBなので、シュートボクサーがRISEのリングに上がっても強いと思うし、海人選手や山田ツインズのようにトータル的に何でもできる選手が揃っている団体やと思います。

――牧野選手がSBのリングで上がることで、選手としてプラスになることもあると思いますか?

原口 そうですね。どの団体に出て挑戦することで、勝っても負けても経験になると思いますし、そこで勝つことによって一番自信になると思います。今回全く踏み入れていなかったSBのリングで勝てれば凄く気持ちいいでしょうし、今後のモチベーションにもつながるとも思いますね。

――原口選手はまだSBのリングに上がったことはありませんが、SBのルールに関してのアドバイスは何かあったりしますか?

原口 そこに関してはどう対処していいのか分からないので諦めてます(苦笑)。でも、裏を返せば、俺がSBのトップファイターだったら投げないんですよ。なぜかというと、フェアじゃないから。逆に向こうが投げに来たら、俺は勝ちでもいいと思います。打撃で勝てないから、こっちができないことで勝負してくるのかと。RISEは首相撲はなしですが、ワンキャッチはありなので、ギリギリな部分は練習しないといけないところですが、立ち関節や投げ技は俺たちには一生必要ないこと。それをやってきたら向こうは打撃での勝負は諦めているんじゃないかなと思うので、そこを突け、自信を持っていけと伝えています。

――なるほど。牧野選手のパーソナル的なことも聞いていきたいのですが、牧野選手は原口選手の大ファンということなのですが、一緒に練習していてそれは伝わってくるものですか?

原口 そうですね。伝わっているし、頑張ろうとしてくれています。ファンだったら一緒にいて嬉しいという話でいいのですが、同じ競技をして同じジムで生活しているので、好きだからこうなりたいと思うだけじゃアカンし、それを行動に移すか移さないかで、本当に好きなのかは伝わってくるじゃないですか。そういう面では牧野からは凄く伝わってくるので、僕がGLORYに出たときは、牧野にとって良い経験になるように一緒に連れていきました。えこひいきではなく、彼の思いに凄く応えたいという気持ちもあるので僕の一番弟子として頑張ってもらっています。

――では初めてのSBのリングには自信を持って送り出すと。

原口 そうですね。それも相手は植山君で、知っている選手です。同じ関西出身ですし、凄く熱いファイトをしてくる選手なので、SBのリングとか関係なく、二人で熱い試合をしてくれるでしょうし、戦いとはこういうものだというのを見せてくれると思うので、一ファンとしても楽しみな試合ですね。そういう中でも牧野の底力を見てほしいですし、植山君も凄く底力があるので、底力のぶつかり合いになると思います。

――牧野選手には今回の試合でどういうところを期待しますか。

原口 期待し過ぎちゃうと、勝たないといけないという気持ちでしんどくなるので、シンプルに挑戦者という気持ちで戦ってほしいですね。その気持ちが一番大事なことで、それが分かっていれば、自然と動けるし、結果につながると思います。それが出なければ負ける時かなと思います。

▼57.5kg契約 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R
植山征紀(ONE LIFE/SB日本フェザー級4位)
vs
牧野騎士(FASCINATE FIGHT TEAM/第5代DEEP☆KICK -57.5kg王者/RKS KICKルール スーパーバンタム級王者)


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